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リサイクル

こうして様々な野菜を手に入れて、リーネはすごく張り切ってた。トーイも、野菜を洗ったり運んだりと、手伝ってくれてる。


俺は、今日もらってきた折れたプラウや刃がすり減った鎌や包丁を焼いて叩いて延べ棒にした。これもまた改めて打ち直して新しい製品にするための材料になる。いずれは地金も改めて手に入れたいが、まずはこうして古い鉄を交換してもらう形で手に入れることになる。


捨てるなんてとんでもない。壊れてようが錆びてようが、鉄は再処理すれば何度だって使えるようになるんだ。前世じゃそういう感覚はまったく失われちまったみたいだけどな。


リサイクルリサイクルと煩かったものの、正直、俺だってまともにリサイクルに協力してたわけじゃねえ。面倒臭いからって適当に捨ててただけだ。


リサイクル自体にもコストがかかるから新しく材料を手に入れて作った方が安い場合も確かに多いだろう。でも、それじゃいつか困ったことになるだろうな。実際、前世の俺が生きてた頃にもレアメタルとかが不足してるってんで半導体が作れないって言われてた時期があったしな。


前世の俺が死んでからどうなったかは分からないが、下手すると<夢の島>とかを鉱山よろしく掘り起こして、ロクに分別もせずに埋め立てたゴミの中から各種金属とかを精製する羽目になるかもな。


まあ、これは所詮、素人の発想だからコストとかの関係で実行はされないかもだが。そんなことをし始めたらそれこそ追い詰められたやばい状態なんだろう。


この世界も何百年後には同じ道を辿るのか。


ま、俺やリーネやトーイには関係ない話だが。


しっかし、暑いな。夏も近いのを感じる。戸も窓も開けっぱなして風を通さないとヤバい感じだ。


この辺は、夏でも前世の日本のようには暑くはならない。いや、あの頃の日本が暑かったのは、単に<ヒートアイランド現象>の所為か? その点、この辺りは木陰も多いし、コンクリートやアスファルトのように熱を貯め込む物も少ないからか、思ったほど暑くならないんだよ。日差しはそこそこ強いと思うんだが。


とは言え、炉に火を入れてると作業場の中は暑い! 頭がおかしくなりそうなほど暑い!!


だから俺や親父は、何度も頭から水を被りながら仕事をしていた。油断してると即熱中症で死ぬ。実際に死人も出る。俺が前の村にいた時にも、親父の知り合いの鍛冶がそれで死んだらしい。


で、本職の鍛冶屋でさえその有様だから、もっと暑くなってたら、リーネとトーイにはそれこそ家の中にいてもらうことはできない。


でも、だからって家の外に放り出しておくのもあれだしなあ……



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