表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/398

家事も家族そろって

そうして午後からは、また、風呂を沸かし始める。桶に溜まった雨水も足してな。


これでまあ、明日くらいまでは水を汲んでこなくても入れるだろ。


で、湯を沸かしてる間はまた草刈りをしてもらい、俺は鉄を打ちつつ時々様子を見るために外に出て、そのたびにでかい鍋の湯を風呂に流し込み、風呂の水をでかい鍋に汲んでまた沸かす。


さすがに何度もやってるとだんだん要領が掴めてきてスムーズにできるようになってきたな。しかも、トーイも勝手なことをせずに自分にできることだけをやってくれてる。今はまだそれでいい。本人がやりたがってることを頭ごなしに怒鳴りつけてやめさせる必要はないが、言い方ってもんもあるし、何より明らかに取り返しのつかないことになる可能性の高い危険なことをやらせんのはさすがに違うと思うんだよ。


だから、本人がやりたがってることの中で、まあ失敗しても大人が二度手間を掛ける程度で済むことについてはやってもらったらいいと思うんだ。そこで『二度手間になるからやらせない』ってのは、むしろ大人の側の甘えだしな。


とは言え、前世じゃ『三歳の子供に湯を沸かさせる』ってのも、とてもさせられなかったけどよ。でも、トーイは、本人が危なげなく持てる程度の鍋ならちゃんと扱ってくれる。だから任せられる。これが危なっかしい感じだったら、さすがにやらせねえよ。


だからでかい鍋は触らせない。それだけの話だ。


こうして、日が傾き始めた頃にはまた、いい感じに風呂が沸いた。


ちなみに、リーネとトーイが集めてくれた薪はまだ湿ってるから、乾かすために家の裏手の物置に保管してある。その小屋は、炉の余熱でいつも暑く、乾燥してるんだ。で、乾いたらそれを使うわけだな。


まあそれはそれとして、今日も風呂だ!


リーネもトーイも、俺が何も言わなくてもさっさと素っ裸になってた。よっぽど気に入ったんだな。


俺も服を脱いで、三人で入る。


まだ湯は泥で濁ってるが、もう別にそれでいいって気がしてきてる。なんか、泥が体の汚れも吸着してくれるのか、上がってからぬるい水で流すとすごくさっぱりするしよ。


で、風呂の後は、三人で裸のままで、洗濯桶に服を放り込んで風呂の湯を流し込んで、足で踏みつけて洗ったんだ。


それがまた楽しくて。


「おー!」


「あはは♡」


「うんしょ、うんしょ!」


俺とリーネが声を上げると、トーイも調子を合わせてくれて。


そうだな。こうやって家事も家族そろって<遊び>としてやれば楽しいよな。


前世でも、女房やゆかりとこうやって遊んでやればよかったと思う。


……前世の俺がそんなこと思い付くはずもないけどな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ