番外編 とある公爵令嬢のお話
うぉぉおおおおおお!!!!!!総合評価1万越えたァァァァァァァァァァアア!!!!!!ヤッタァァァァァァァア!!!!
...はい(真顔)。有難いことに総合評価1万を超えることが出来ました。本当にありがとうございます。m(_ _)m
特に何かするといったことは無いのですが、して欲しいことがあったら気軽にどうぞ。( ・`ω・´)b
という訳で(?)今日はどこかの国の公爵家に仕える1人の使用人の独白。
ある国に国で1番美しいと言われるセルタルン公爵令嬢がいました。
彼女はその国に仕えるイケメン宰相と傾国の美女と持て囃される公爵夫人との間に生を受けました。
生まれた当初は赤子ながらも将来が約束された容姿をもち、それはそれは可愛がられたのです。
...ですが、それも成長していく毎に無くなっていったのでした。
─────
───
「...アリスお嬢様。おはようございます。」
「....。」
「お召し物のお取替えを致しますので両手をお上げください。」
私、アンナは今、アリスお嬢様の部屋でアリスお嬢様の着替えを手伝っている。流れるような真っ黒の髪にきめ細かい真っ白な肌。私は毎朝見るのが楽しみだと思っている。が、旦那様や奥様、他の使用人はそうは思っていないらしい。
アリスお嬢様は忌み嫌われている。生まれた時は旦那様や奥様、私達使用人一同皆が皆喜んだものだった。
だが、1年経っても2年経っても喋らない。おまけに凄く無表情で目に浮かぶ感情が感じられない。そのせいでアリスお嬢様と目を合わせるとその何を考えてるのか分からないような目に飲み込まれそうになるのだ。過去に1人、ふざけて勝負だとか言ってアリスお嬢様の目をじっと見た人がいたが、その人は毎晩悪夢に魘されるようになり、最終的に悪夢の見すぎで廃人になってしまった。その人が日を送る毎に窶れていく姿を見る度に使用人によるアリスお嬢様への恐怖が高まるのを私は感じていた。
ある日、アリスお嬢様は悪魔憑きだという噂が流れてからは一瞬だった。皆それで納得してしまったからだ。それ以来、アリスお嬢様が悪魔憑きだという話は有名になってしまって皆敬遠するようになってしまった。
旦那様と奥様はとっくに愛想を尽かして次に生まれたお嬢様の弟君にあたる、ルーカス様にたっぷりと愛情を注いでいる。ルーカス様はよく喋り、よく笑い、よく泣き、とても感情豊かなお方なので使用人もそっちに気を向けている。
私は偽善者だ。
アリスお嬢様に同情し、アリスお嬢様に仕えて早10年。それなりに慣れてきたが、やっぱりお嬢様と目を合わせるのは怖い。
でも、旦那様や奥様から貰えなかった愛情をその分私が与えるんだって常日頃思っている。...たとえルーカス様に与えられる愛情に遠く及ばなかったとしても、だ。
「お嬢様。今日はお茶会がありますので目一杯着飾りましょうね。」
「...。」
正直お茶会などに行って欲しくない。アリスお嬢様を馬鹿にするか恐怖されるかのどちらかしかいないからだ。
「...出来ました。それでは行きましょうか。」
「...。」
無言で着いてくるアリスお嬢様。そのまま馬車に乗り込み、アリスお嬢様のお家と同格のウェルタール公爵家へと向かう。
───ガラガラガラ......
「あ、竜人!珍しいですね!」
「...。」
馬車の外に金色の角を後頭部に生やした赤髪の女の子の竜人が歩いていた。この国では竜人は創造神である龍神様に近い存在だという事で崇拝...とまではいかないが、それなりにありがたがれている。竜人の方を見かけたら願い事をするのが我が国の主流というか常識みたいなものだ。
「...どうかアリスお嬢様が幸せになれますように...。」
「......。」
「あ!も、もも申し訳ありません!」
「......。」
つい言葉に出てしまった...。気まずい...とっても気まずいです...。
でも、今のは本音。嘘じゃない。本当にアリスお嬢様には幸せになって欲しい。
さっき、呟いた時、アリスお嬢様のお顔が僅かにピクついた気がしたけどきっと気の所為だ。
そうしているとウェルタール公爵家に着いた。
まだ今日は終わらない。




