第9話 道に迷ってしまいました。
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私達は道無き道を進んでいた。
最初は平坦な街道が続いていたのだがいつの間にか森の中に入ってしまったようだった。
有り得ないと思う?でも実際そうなってるんだよね...。だって私達、方向音痴なんだもん。
前にも良くあったなぁ...。
小学生の頃、私は山の麓にある家か学校を行き来するだけの毎日だったんだ。消耗品とかは学校の帰りに寄るだけだったしね。
で、小学三年生の頃、初めてすずと一緒のクラスになったの。それがすずとの初めての出会い。その時はなんか綺麗な子が居るなとしか思ってなかったんだけど、今ではかけがえのない親友なんだから不思議なものだよねぇ...。
おっと話がズレた。
すずはいつも学校が終わった後すぐに家に直行する私を見て遊びに誘って来たんだよ。
『みんなといっしょにあそぼ?』
『で、でもぉ...。』
『あっちのほうのちかくにあるこうえんで4じにまちあわせね!』
『あぅ...。でも、わたし、ばしょしらない...。』
『なんで?あのこうえんゆうめい?だよ?』
『だってわたしこのまちのこと、よくしらないから...。』
『じゃあわたしがあんないしてあげる!』
『えぇ!?』
すずってその頃から...って言うよりかは前からなんだろうけど強引だったんだよねぇ。
案内するにはちょっと時間が掛かるからって言うことで土曜日の朝からすずと遊ぶ約束をしたの。
で、約束の土曜日。
『あっ!あやぁ!!』
ブンブンと手を振りながら駆けてくるすず...って既視感。
『じゃあいこっか!』
『!わかった!!』
すずは計画を立ててたみたいで小さなメモ帳と睨めっこしながら街を一緒に歩いてたんだ。
でも、ちょっとずつズレてって最終的にはすずも知らない場所に迷い込んでしまったの。
その時はすずの護衛の人が車で迎えに来てくれて助かったけど、あんなことはもうごめんだ。
まぁ、絶賛迷子中なんだけど...。
「あやぁぁ!どぉしよ!迷ったよ!?」
「と、とりあえず進もう?きっとどこかに出ると思うから...!」
正直私もプチパニック状態。でも、私以上に焦ってるすずを見てると自然と冷静になってくる。
「え〜と...。どっちから来たっけ?」
「知らないわよぉぉ!!」
「はわわっ...!」
いつもは使わないお嬢様言葉をあのすずが...!?
これはやばい。早く出なくては...。
「じゃあ、こ、こっち!」
「.........じゃあってなによ。」
「.........こっち行こ?」
「.........仕方ないわね。」
微妙な雰囲気だけど、さっきよりはマシ。だが、言葉は変わってない。
─────
──
「──《ライトニング》!」
すずが掲げた杖から出た光が森狼の頭に当たる。当たった場所を中心にバチンッと電流が流れ、そのまま絶命した。当たり所が悪かったのだろう。
あれから暫くして、数十頭の森狼達を倒した私達。私のステータスはこんな感じ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【名前】アヤネLV.3→7
【種族】ヒューマン
【職業】鍛冶師LV.2
HP:1100→1300
MP:600→800
STR:18
VIT:10
DEF:10
AGI:12
INT:10
DEX:18
MND:10
【スキル】《鍛冶LV.4》《剣術LV.3→5》《身体強化LV.2→3》《採掘LV.5》《伐採LV.2》《木工LV.3》《鑑定LV.3》《錬金術LV.1》
SP:0→20
【装備】初心者の服、ショートソード、刀
【称号】無し
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
SPはまだ割り振らないでおく。
そんなこんなで、私達は森の最深部に来てしまった。...なんでぇ!?
おかしい...!これは何かの罠が...!?
まぁ、それはともかく。
何故最深部に来てしまったと言いきれるのかと言うと、目の前に今までに斬ってきた森狼達よりも数倍大きいサイズのいかにも私がボスですと言わんばかりの狼とその狼が普段使っているだろう寝床があったからだ。
「《鑑定》」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【名前】リーフェルLV.15《BOSS》
【弱点】???
【説明】フォレストウルフが数十年生きて進化した個体。葉を用いた魔法を得意とする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
リーフェルはフォレストウルフからの進化個体だけあって同じ緑色をしている。
そして、首周りを中心として大きめな硬そうな葉っぱが沢山くっついているため一撃で決めるのは無理そうだ。
何より体長3m程の大型犬もびっくりなサイズ。
毛深いし刃が通らなさそうかなぁ...。
『グルルルル...。』
うわぁ、めっちゃ威嚇してくるぅ...。
「ん?弱点が見えない...?...自分のレベルが足りないのかなぁ...?」
「ちょ、ちょっと来てるよ!!」
「分かってるよぉ。」
まずは相手の出方次第で。
『ガウッ!!』
──ビュゥゥ
リーフェルが吠えると強い風が吹いてきた。
その風に耐えられなくなって落ちる葉っぱもそれにつられる。
葉っぱが1箇所に集まりだした事でようやく理解した。葉を用いた魔法ってそういう事なのかと。
「っ!防御する魔法って無い!?」
「《プロテクション》!!」
あれは流石に捌ききれるかどうか...。
すずがそう唱えると薄らとした光が私達とリーフェルの間を隔てるように現れた。
その瞬間。
──ビュォォォオ!!!
...ガガガガガガガンッ!!
『...ワフッ?』
私達の目の前で何かに遮られる葉っぱに目が点になるリーフェル。
何あれ可愛い...。
「あや、騙されちゃダメだよ...?」
「も、もちろんっ!」
『グルルルゥ...ガウッ!!』
葉っぱがダメならとリーフェルは飛び掛って来た。
「速っ!?跳んで!!きゃうっ!!」
「了解っ!!うきゃあ!?」
すずは右に、私は左に飛び込んだ。
パリィィン!...ドゴォン!!
飛んだと同時に爆音が響き、その余波で私達は吹き飛ぶ。
さっきまで私達が立っていた地面には大きなクレーターが。動いてなかったらと思うと...考えたくもない。
だが、ここで呆けている場合ではない。
私はすぐ様立ち上がり、リーフェルの元に向かう。
どうにか大ダメージを与えたい。
──首は葉っぱと毛皮があって無理。
──脚も毛皮が邪魔で無理。
──1番柔らかい、毛皮が無いとこッ!
柄に右手を掛け、左足で踏み込み、跳ぶ。
──スパッ......。
すずの近くに着地し、斬る速度が速すぎて血が付かなかった刀を鞘に納める。
一拍遅れて...
─ブシュッ!
『ギャゥゥウ!!!クゥゥンクゥゥン...。』
仔犬が縋るような声を出し、私達から...いや、私から距離を取るリーフェル。
何それ可愛い...。
「...あや?」
「何も思ってないです。はい。」
にこやかに名を呼ぶすずにちょっと圧を感じた。
リーフェルはと言うと怯えた顔から徐々に睨みつけるような顔になっていた。
これは絶対怒ってるよなぁ...。
『ガウッッ!!!』
そうしてリーフェルが吠えると森が騒がしくなった。