第686話? 絶望
鬱
「──────!!」
「───!」
「─────!!」
観光しているユウトくん達を探していたら遠くで何やら男女の叫び声が聞こえてきた。女性の方は聞いたことのある声...スリーナさんだ。急いで聞こえてきた方向に飛んでいく。
「護衛の女はやった!あとはその小僧だけだッ!!」
「おぉぉッッ!!!」
「は...?」
血に濡れる赤い髪を地面に広げながら倒れ伏すスリーナさん。その胸には大きめな剣が突き刺さ...って...
「あ、ぁぁ...まもら、なきゃ...」
「うわぁぁぁんっっ!!す、スリーナざぁぁんッ!!」
───ギィィンッ!!!
「ユウトくん...さがってて...」
「ひぐっ...ぅ、ぅん...ぅぅぅ...ぁやねしゃん...」
「誰だ貴様ッ!」
「スリーナさんをやったのは誰?」
「は?あぁ、あの女か...それならおr───」
───ズシャッッ!!!
「──れがぁッッ!?」
次元斬で男との距離を詰めて、スリーナさんに刺さる剣と同じ箇所をそーちゃんで貫く。乱雑に引き抜いてそーちゃんにこびり付く血液を振り払う。
「な、なんだ...」
「...逃がさない。」
──《刀剣地獄》──
───ズザザザザザザッッッ!!!!!
私の頭上に生成した大きさ不揃いの真っ黒な剣や刀を逃げようとする敵達の進行方向に突き刺して足止めする。そして背中から剣を貫かせた。残りの1人は手足を剣で貫かせて地面に縫い付けておく。
──ピチャッ...ン......
───サァァァァァッッッ......
全てを洗い流すかのような雨が突然降り出す。未だに泣き喚くユウトくんに外套を被せてスリーナさんの元に向かう。
──きゅぽんっ...
「スリーナ、さん...」
メル特性回復ポーションを胸に振りかけてから口にも含ませる。でも...でも...
「...遅くなって、ごめんなさい」
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あの後サーラさんに頼み込んでこの街の外れにあるとても綺麗な景色が見れる山の中腹にスリーナさんのお墓を造ってもらった。
「...守れなくて、ごめんなさい...。」
「あやねしゃん...ぼ、ぼくが、もっとつよければ...」
いくら強くなっても届かない。慢心はもう...しない。
「...いこうユウトくん。」
「...ぅん。」
ユウトくんの手を繋いで私たちは山を下りた。
──────
「...別れはもう済ませたのか?」
「うん。」
「そうか...それじゃあ行くぞ。」
「...うん。」
「...きっと上で見守ってるさ。」
「......ぅん...。」
ガンヅさんがユウトくんの頭を撫で終わると汽車はまもなく出発した。
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───
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『......さいっ...!.........さんっ!!』
○TIPS○
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...。




