第643話 慣れ
──試練の塔挑戦開始から5日後──
「...会いたい。」
『...。』
すずに会いたい。ものすごくすずに、会いたい...。
『...だめ。』
「...。」
スカーレットは私が試練の塔をクリアするまですずと会っちゃダメって言ってる。現実世界でもスカーレットが頭の中にいるから会いに行けないしそれでも会いに行こうとすればなぜか師匠にも止められる。
「はぁ...」
ここまできてようやく分かった。私はすずに依存してる。小学生の時からずっと一緒だったすず。今まで気づいていなかったけれど、私はすずがいないとダメみたい。
『...思ったより重症。』
「何か言った?」
『...あと950階頑張って。』
「...ん。」
この5日間で攻略できたのが丁度50階手前の49階。最初の1日は2階層しか攻略できなかったのを考えると大分進みが早いと思ってる。単純計算で1000階に到達するには95日は掛かる。それまですずに会えないのは...ううん会えないじゃなくて会うんだ。私が早くここを攻略すればいいだけ。
「ふっ!」
───ズババンッ!!!
「はぁッ!」
───ズバババババッッ!!!
もはや見慣れた魔物の大群を天力で創り出した2つの短刀で斬り伏せていく。今目の前で散っていった魔物はモグラ型の魔物。豪雨でぬかるんだ地面からポコポコ飛び出てくる彼らに対処するのはこれが中々難しい。ぬかるんでて踏み込みもしにくいしね。
「「ギュォォォオオッッ!!!」」
「せいッ!!」
右短刀でモグラの突進攻撃を逸らしつつ左短刀で骨のない場所から脳天を突き刺す。この骨のない場所を見つけるために5回は死んだ。STRも1だからあまりの物量に慌てて攻撃を受け止めれば普通に押し負けて死ぬ(1000回以上)し、斬ろうとしても弾かれる(数え切れない)しでもうやれることと言ったら全力で逸らすことと全力で突き刺すことのみ。まぁ斬ることに関しては本当に全力でやれば斬れないことも無いかなって感じ。
「もう慣れてきたな...。」
手早くドームの中に入って少し休憩する。次はスカーレット曰くボスがいるとかなんとか。50階層毎にボスがいるのかな?何はともあれ気を引き締めなければ。
ボス戦前特有の黒い階段を深呼吸しながら登り、天力を使っていつでも動けるように体を強化させる。この5日間で天力の扱いにも慣れて意識しなくても纏うべきところに天力を纏わせることができるようになった。まだ短刀を無意識で創り出すには至ってないけどいずれはできるようになりたい。
───ザァァァァァァッッ......!
───ゴロゴロゴロ...!!
「「...。」」
階段を登りきると階段は消滅し、無限に広がる世界に2人取り残される。目の前で胡座をかいている魔物はずっと動かない。
手が6本あって下段の2本はサーベルを持っていて、中段の2本は弓と矢、最後の上段には両手で持つような大きな杖を持っている。
「《鑑定》」
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【名前】アシュリンガンド《RAIDBOSS》LV.1000 状態:正常
【弱点】?
【苦手属性】?
【説明】
──未確認生物のため詳細なデータがありま...|──
これの名前は『アシュリンガンド』。私が創り出した魔物の1種。天力で体を変質させててる。3つの攻撃手段を持つため注意が必要。1対1を好んでるらしいからこの階層にほかの魔物はいない。頑張れ。
HP:1144750/1144750
MP:1332698
STR:7415280
VIT:4211798
DEF:5324667
AGI:1221396
INT:1042170
DEX:1009567
MND:1042490
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「...この説明文やっぱりスカーレットだよね?」
『...ナンノコト?』
「ぷふっ...スカーレットってば嘘つけないんだね。」
『私知ラナイモーン。』
○TIPS○
・投稿
えー...先週金曜日の事なんですが、そのー...普通に書き忘れてました...!!ポ○モン楽しいッ!
・バイオレット
金曜の朝に買いに行ったらめちゃくちゃ並んでてビックリしました。帰りに同じく買いに来たバイトの先輩と遭遇して気まずかったです。その日のバイトでもシフト同じで気まずかっ(以下略
・不登校
アヤネたんが不登校になってる件。今までのテスト全部100点の成績優秀者で素行は...風紀を乱してる(主に涼香さんとのイチャイチャで)けど世界的に有名な刀夜さんや刀堂さんがアヤネたんを許してるみたいなので不登校でも許されてるみたいな所があったりなかったり。出席日数は攻略に95日掛かるとしても足りそうで安心???(なおアヤネたんのクラスは地獄絵図の模様。)




