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第634話 彷徨いの森




「とりあえず安全な場所を...ん?」



───ミヂミヂッ...



もたれかかっていた巨木から何やら不吉な音が聞こえてくる。ソロッと距離を取って見てみるとそこには()()()()()()



「は?え、木はどこに...?」



周りの木は変わっていないように思え、る...?



「あれ...平原が見えなくなってる...」



さっきまで恐竜に追いかけられていた方角には周りと同じく白い森が広がっている。森と平原の境目付近にいた私は移動した訳じゃないからまだ平原が見えるはずなのに...



「...だからあの魔物は入ってこなかったのか。」



ここは入った者を迷わせる森なのだろう。ここから抜け出すのにどれだけかかる事やら...。



『正解。魔力の濃度が強すぎるせいで次元が歪んでるせい。』



「なるほどねぇ...。」



次元が歪んでる、ね...なら...



「斬っちゃってもいいかな?」

『別に私に許可を求めなくてもいい。』



スカーレットからお許しを貰えたのでインベントリから刀を取り出して鞘から抜く。実体化させ、目の前に一閃すると空間に切れ目が入った。けど、その切れ目は徐々に歪みだし、ついにはバラバラになってしまった。



『まぁ斬れるものならね。』

「むっ...。」



スカーレットのドヤ顔が目に浮かぶ。悔しいけど次元斬はここでは使い物にならなさそう。諦めて歩くかなぁ...。



『ちなみに真っ直ぐ歩いててもいつの間にか違う方角に歩いてることもあるから。』

「分かった。」



とはいえ歩く以外にすることもなく、とりあえず真っ直ぐ歩いてみる。



───ォォォォォオオオオ...


──ェェェェェェェエ...


───ミヂミヂミヂッ...



歩くだけなので自然の音を聞く余裕もできた。だけど自然と言うには不自然な音ばかりが私の耳に届いてくる。



『...ここに迷い込んだ者達の魂の声。』

「こっわ...」



私もあんな風にはなりたくないなぁ...。プレイヤーだから大丈夫だとは思ってるけど...万が一の事があれば大変だからね。できるだけ死なないようにしたいところ。



「あ、見てみてこれ!美味しそうなキノコだよ!」

『え゛...いやいや水色のキノコとかいかにも毒がありますって感じしてるって食べないでよ!?』

「あ、おいひい。」



焔のブレスで燃やしたから大丈夫大丈夫。ちょっと焦げ臭かったけどめっちゃ美味しい。ここから抜け出した時用のご飯として幾つか...あれ...キノコふえてる...?うぇ...なんかきもちわるくなってきた...



『だから言ったのに...。』

「う...ぷ...でもがまん...できる。」



吐いたら私お嫁さんに行けない。幸い我慢できないほどでもないから頑張って耐える。


白い木に手を当てながら道無き道を進んでいく。しばらくすると小さな池が目の前に現れた。



「...のめるかな。」

『はぁ...。飲めると思うけどね。』

「ありがとスカーレット...。んく、んく...」



澄み渡った池の水を飲むと少し気持ち悪いのが収まった。それでも視界がグラグラしているのは変わらな──



──ガシッ...!!



「はぇ?」



───ドボンッッ...!!!!



「きゃぁぁんむむっっ!!?!!?」



池の傍で休んでいると突然池から飛び出てきた手のような何かに脚を掴まれた。そのまま私は池に引きずり込まれる。



「がぼっ!?んんっ...ぐぐぐぐ......!!」



水中で目を開け、私の脚を掴んでいる者を睨みつける。しかし、その全貌は見ることは叶わず、伸びている長い手しか私には見えなかった。



そのまま私は息が長続きせず意識を落




とす訳にはいかない...!



刀を思いっきり謎の手目掛けて振り下ろす。しかし、斬れたもののなぜか切り離せない。今度は私の手で掴んでいる手を離させようとしたけど力が強すぎる。



「がばっ!?んぐっ!!!ぐ...ぅ...」



ここまで来たら私は自分の体のスペックを信じることにした。肺に天力を纏わせ、両手をメガホンの形にして口に当てる。そして...



「うがぁぁぁ!!!!!」



───ゴァァァアアアアアアアアッッッ!!!!!!!


──ジュヮァァァァッッッ!!!!!



ブレスを超えて最早ビームのブレスを私の脚に放つ。周りの水はほとんど蒸発し、そこに上にあった水が流れ込んでくる。気がつけば私の脚にはもう何もなく、私は急いで浮上した。




「けほ...けほ......うぇ...焔無効で良かった...」

『今のブレスは焔じゃ収まらない。...私の[煌波]と同じ火力だった。』

「こうは...?」



よく分からないけど今はちょっと、休ませて欲しいかなぁ...



そう思いながら黒焦げになっていた左足をさすったのだった。



○TIPS○


・彷徨いの森

常に次元が変化し続ける森。真っ直ぐ歩いてもいつの間にか元の場所に戻っていたり、方向が変わっていたりする。ちなみにこの森全体がレイドボスだったりする。


・池の魔物

当然のごとくレイドボス。まず戦うには池の水ぜんぶ抜く作戦を実施しなければならない。ちなみにこのレイドボスさんは当たりどころが悪かったのかアヤネたんの[煌波]で死亡。戦う前が大変系のボスのようだった。(過去形)



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