第630話 首に注意
((( _( _'ω')_ ((( _( _'ω')_ コソコソ
───ぶーぶー私つまんなーい───
『 ...そうですか。 』
───もっと過激なの期待してたのにぃ───
『 ...そうですか。 』
───私が手伝ってもいいのよ?───
『 お断りします。 』
───ふふ...それがいつまで続くかしらねぇ?───
『 ...。 』
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「そういえばアヤネ。見ましたよあの記事!カッコよかったです!」
「そ、そう?それは良かった、です?」
アリスに褒められて嬉しくも恥ずかしくも...そして隣から感じるすずの視線に怖くもあった。あ、ちょっと近くに来ないで怖い怖い怖いから...
「スズカさん?どうかしたんですか?」
「いいえ〜?なんでもないわよ〜?」
「あ〜...なるほどです...。」
そう言うとアリスは私を残念な子を見るような目で私を見つめてきた。な、なにさ...私何もしてないじゃん!
「...私ちょっと散歩しに行ってこようカナー」
「もちろん私も行くわよ?」
「...デスヨネー。」
「あぁそうだったわ。私あやのために昨日これ用意したの。着けてくれるわよね?」
ふと思い出したかのようにインベントリ内を物色するすず。私はさっきから寒気がすごい。背中に氷をたくさん入れられたかのように冷や汗がすごい。もうすごいしか言いようがない。
そしてすずがインベントリから出したもの...。
輪っかになった赤い革。
内側はもふもふしていて...
鈴が付いてる...
───チャリ...
「どぉ?この首輪...じゃなくてチョーカー。」
「首輪って言ったよね!?私絶っっ対着けないからね!?」
それを見て私は部屋の扉を開けて全力で逃げ
───ぽよんっ...!
「おっとアヤネちゃんかい?ごめんねぇ...怪我はないかい?そう...良かった。あ、今から外出るの?今はやめといた方が良いかもねぇ...あたしもあの記事見たけど街の人みぃぃんなアヤネちゃんのこと探してるのよぉ。だから今日もこの宿に泊まってってくれないかい?バレたらアヤネちゃんが危ない気がするのよねぇ...。」
「え、あのちょっと離し──」
「彩音」
「ひゃい...」
部屋を開けた瞬間宿屋の女将さんと衝突し、部屋の中に戻される。この女将さんも大っきい。何がとは言わないけど。怪我がないかを確認されたあと両肩を掴まれて私が危険な事目に遭うかもしれないと力説された。
「彩音...着けてくれるよね?」
「いや、その...さすがにそれはちょっ──」
「───あやのためにせっかく手作りしたのになぁ...?」
「っ...」
「結構頑張ったんだけどなぁ...?」
「ぅっ......」
「あやに似合うと思って作った首...チョーカーなんだけどなぁ...?」
チョーカーという名の首輪をキュッと胸元で握って上目遣いしてくるすず。さっきは怖くてすずが見れなかったけれど今は可愛すぎて見れない。
「私のために...着けてくれるかしら...?」
「うぅ...」
「ね?」
「..................ゎかった...。」
「ほんと?やった!じゃあ早速上向いて...?」
「...ん。」
もう半ば諦めモードで上を向く。カチャリと首の後ろで金具の音が聞こえる。あぁ...首輪付けられちゃった...。
「あや...すっごく似合ってるわ...。」
「......。」
「えっと...その...なんだい...あたしゃ邪魔もんだったみたいやね...?」
あぁ女将さん逃げないで...私も連れてって...
「...あやは私のもの...もう危険な事は...させないから...。ふふふふふ...」
「スズカさん目が怖いですよ...。」
「...。」
そういえば雪華ちゃんもすずに対して手錠使ってたなぁとこの時現実逃避していた私であった。
○TIPS○
・セーフ
まだ今日は終わってないのでセーフ()
・赤い首輪
アヤネちゃんをイメージしてスズカさんが手作りした首輪。音が余り鳴らない鈴が使われており、パッと見オシャレに見える。ちなみにこの首輪は施錠されており、その鍵はスズカさんが持っている。
・アヤネちゃん
にゃーん。ワタシハネコチャンダゾー。
・スズカさん
はぁはぁはぁはぁ...あや可愛い...私の...私だけのあや...。
2人とも違うベクトルで壊れてますね(目逸らし)
 




