第624話 心配と捕食
「メル遅いねー?」
「そうね...ま、まぁあやは気にしなくても良いわ。」
「え...?なんで...?」
「...何でもよ。きっと2人は後で追いつくわ。」
「んー...?」
「そ、そうですよ!私たちはゆっくり進みましょう?」
「んー...でもなぁ...。」
アイリスは前に誘拐された事がある。だから私が渋る理由も分かるだろう。でもメルがアイリスについていてくれるし、それにアイリス自身も強くなってる。だから大丈夫...のはずだけどやっぱり心配になる。
「なんかみんな...隠してる??」
「そそそそんなことないわよ??」
「そそそそうですよアヤネに隠すことなんてありません!!」
「...お2人とも声が震えてますよ...。アヤネさん、彼女たちなら大丈夫ですよ。」
「アンナさん...分かった。でも本当にゆっくりだよ?」
「え、えぇ。...危なかったわ。」
「...純粋なアヤネは可愛いです。」
「心配そうな顔をしてるアヤネたんカワユス...!!」
みんなの私を見る目が生暖かいものになっているのに気がつく。...なぜ?
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しばらくしてメルが走ってやって来た。あれ?アイリスは...?
「アイリスはなんか疲れて眠っちゃったみたいだから今は私の体の中にいるよ〜?見る〜?」
そう言ってメルは自身の服を捲り上げる。普段不透過のお腹は奥の景色まで見えるぐらい透明になっている。そこには裸のアイリスが眠った状態で立っていた。えーっと...?つまり今はアイリスの体をメルが囲んでる感じ...でいいのかな?
「うん!」
「...なんかアイリスの顔赤くないかな...?」
「気のせいじゃない〜?」
「......そっか。」
アイリスの顔が赤くなってる、気がしたんだけど気のせいだったみたい。なぜホムンクルスであるアイリスが疲れたのか分からないけど精神的に疲れてるのかもしれない。もっと休むべきかな...?
「あ、あとこれアイリスの服だよ〜。流石に濡らしちゃうのはまずいからね〜。」
ちなみにメルは次の街の宿に着くまではずっとアイリスを体内に取り込んだままで行くらしい。それ苦しくないのかな...いやでもアイリスに呼吸って必要だったっけ...?
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────アイリスside
あの薬を飲んでしばらく。私の体はおかしくなっていた。やっぱりセイリツウとやらを治すための成分だけでなく何かを入れていたらしい。
「ぅぅ...ん...。」
「ふふふふ...体熱くなってきたね〜?」
「ひゃぅ...さ、触らにゃ...ぃっ!?」
「さっきの薬にはね〜?媚薬ってやつが入ってるんだよね〜。最近スズカにもらった草から作ってみたんだ〜。ね、ね、どんな感じ?」
「ぅ、るさぃ...!はにゃ、して...!!」
息が苦しくなる。ビヤクってなんなんだ...私の体はいったいどうなってるのか...。
「それじゃあアヤネ達を待たせるのもあれだからもう行こっか。」
「ぇ...」
こ、このまま行くの...力が入らないんだけど...?
「大丈夫大丈夫!私が運んであげるから!」
「そ、そう...?なら...頼んでもいい...?」
「っ...も、もちろんだよ〜!」
顔も熱くなってくる。目も段々閉じてきてるし...私大丈夫なのかな...?
「...それじゃあ目を閉じてこれから感じる全てを受け入れてね...?♡」
「...ぅん...?」
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『 ぁぅ...きもちいの、もぅ...ゃぁ...... 』
『安心して?次の街までだからさ〜?』
服はいつの間にか剥ぎ取られ、メルに取り込まれた私。体も謎の熱で動かせず、ただ全身で気持ちよさを感じるだけ。マッサージというものを受けているような...。
『 ひぅっ...!? 』
『ここ気持ちい?じゃあもっとやってあげるね?』
『 もうやらぁっ!! 』
色んな意味で食べられてますね(白目)




