第56話 予選終了
「「「.........。」」」
岩や木に隠れながら互いの事を睨みつける3人。1人は刀を持ち、もう1人は弓を持っていて、最後の1人は何やら怪しい薬を持っていた。
「はっはー!!私の毒を食らえぇぇえ!」
「届かんよ!」
──ヒュンッ...
──ビュッ!
──パリーンッ!!
宙を舞う緑色の液体が入ったメスフラスコ。それを木からチラッと見ていた弓使いが矢を放ち、2人の間で液体が飛び散る。
──モワァワァン...
すると、緑色の濃い毒ガスが発生し、それによって互いに見えなくなった。
そうなると必然的にもう1人の方を警戒するしかなく...。
─────
「あの人達凄いなぁ...。」
なんかよく分からないけど吸ったりしたら間違いなく死んでしまうだろうガスを発生させたり、離れた場所から20cm程のフラスコを射抜くとか...。
──パリンッ!
──ジュワァ....。
真後ろにある木から何かが溶けるような音。あの薬物男だろう。
そして、さっき射抜いていたもう1人の敵は敵同士潰し合う事を願い手出しはしなかった。
そんな事を考えている間に、後ろの木が頼りなくなってきた。次の木に移ろう。
「ふぅ......3.2.1...GO...!」
──ダッ!
──シュンッ!!ガキッ!...シュンッ!ギィィン!...シュンッ!!キンッ!
「《水刃》《水刃》《水刃》《水刃》《───」
──パリンッ!パリンッ!!パリンッ。パリンッ!!
近くにあった...まぁそれでも20m離れてるけど...木に走り出した途端、集中砲火される。
偏差撃ちながらも正確に急所を射抜こうとする矢を全て弾き、ちょうど進路の邪魔になるように投擲されるフラスコを大回りで避けたり、《水刃》で遠くからフラスコを打ち落としたりした。
「......はぁ、はぁ、はぁ........。あの2人上手すぎない...?」
ようやっと次の木に辿り着いた彩音は息を整えながら愚痴を吐く。
3人の間にはあの毒ガス男が大量に投げていた毒ガスが充満していた。
「...!」
ある事を思いついた彩音は瑞斬丸をインベントリに仕舞い、帯刀していた焔風斬丸を鞘から抜く。
「《風刃》《風刃》《焔刃》」
まず、《風刃》で相手の方向に毒ガスを風で運び、その後《焔刃》で毒ガスに着火させる...。
───ドゴォォォォォォォンッ!!!
着火した場所から誘爆して辺りの毒ガスが爆発。相手の元まで運んだ毒ガスまでもが大爆発を起こした。
それによって弓使いが死んでしまい、毒ガス男はいつの間にか何処かに逃げていて死ななかった。
すっかりボッコボコになってしまった地面を見つめ、毒ガス男を探す。
木から木へと移り、警戒を怠らない。
そして...
「───見つけた《風刃》」
──ビュォォォ!!...スパンッ!!
真っ直ぐに飛んでいき、しゃがんで見当違いの方向を警戒していた毒ガス男の首を刈り取った。
『サーバー18 アヤネ様 貴方は1/1002位でした。おめでとうございます。』
「やったぁ!」
最後はなんか呆気なかったけど、勝てて良かったと思う。すずも多分予選突破すると思うんだよね。そう思うともっと嬉しいかな。
視界に映っているこの文字が消えた瞬間、私の目の前が真っ白に染まる。
あ、戻るんだな...。
──────
───
──シュゥゥゥン...
「...ここ...はあの広場か──」
「アヤァァァァァァァァァ!!!」
「!?」
──ドスッ!!
「ごふぅっ...。」
「アヤ!見てたよ!カッコよかったよ!!私も優勝したんだけどアヤが優勝した方が嬉しいんだよね!!」
「......。」
「いやぁ。最後の男の人も凄かったけど、私としては途中で戦ってたヨイチマルさん!あの人がアヤが戦った中で強いと思う!!」
「......。」
「ん?アヤ...?聞いてる......?え?あや!?ちょ!!うそぉ!?あやぁぁぁぁ!!」
朦朧とする意識の中、一つだけ思ったことがある。
なんで知ってるの...?
○今日のスキル○
今日は《風刃》《焔刃》の2つです。
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【名前】武器スキル:《風刃》 消費MP:40
【効果①(LV.1)】風を刀に纏わせることができる。さらに、それを放つことができる。威力は武器に使った素材とスキルレベルに比例する。
【効果②(LV.5)】消費MPを増やすとその分威力が高まるようになる。
【効果③(LV.☆)】鎌鼬を5回まで連続で飛ばすことができるようになる。
LV.1:AGI+20
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【名前】武器スキル:《焔刃》 消費MP:40
【効果①(LV.1)】炎を刀に纏わせることができる。さらに、それを放つことができる。威力は武器に使った素材とスキルレベルに比例する。
【効果②(LV.5)】消費MPを増やすとその分威力が高まるようになる。
【効果③(LV.☆)】炎を5回まで連続で飛ばすことができるようになる。
LV.1:STR+20
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