第609話 出落ち
めつぁんこ遅れました...。せっかくの夏休みがバイトで消えていく...。
───ズドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!
右腕を真上に挙げたと思ったらそこから大量の弾丸が撃ち出された。それはさっき放たれた巨大なものとは違い、小さなものだったけど見えた限りだと貫通力が凄そう。
「グルルッ...!」
そうして上に撃ち出されたそれらは途中で方向転換し、私のいる地面目掛けて落下してきた。
──ヒュゥゥゥゥッッ...
───ズドドドドドドドドドドッッ!!!!!
私目掛けて落下してくる弾丸を避けながら相手の不意打ち射撃にも意識を割く。...ん?
───ズドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!
「グァッ...?」
なんか落ちてくる弾丸の雨が止まないんだけど...?
「ボォォオオオオオグッ!!!」
「グォォオオオオオッッ!!!」
───ギィィィィンッッ!!
装甲で強化された相手の左腕がこちらに伸ばされるが当然避けて斬る。貫通力の高い弾丸の雨にも当たらないように避けて移動しつつ、折れている刀を再び構える。
「グルル...──」
──《刀堂流刀術・奥義:朧月夜ノ無限連撃》──
「──ラァッッ!!!」
時がゆったりと動く世界。次元斬で無数の出入口を相手の周りに生成し、そこを通って相手を滅多斬りにする。
「ボォォオオオオオオオグッッ!!!」
甲冑を象っていた樹はズタズタになり、顔の装甲も半分剥がれる。私は最後に次元斬の出口を顔の真正面に展開して刀を振り抜いた。
───キィィンッ...!
──ピシッ...!
「ボォオオオオオオオオッッッ!!?!?」
水晶のような真っ赤で濁った目。その1番脆い箇所を斬り、結合を崩壊させた。相手の体力はあと50万ぐらい。もう1つの目を攻撃すれば倒せるだろう。
「「「「ボォォォォォオォオオオオオグッッ!!!」」」」
「っ!?」
地面から大木が生え、それらがボスと同じ形になるのを見て思わず目を見開いた。それぞれ腕の形が違うけれど性能は同じ感じに思える。まぁでも...
──ズババババッッッ!!!!
「「「ッッ!?!!?」」」
まだこっちの攻撃は終わってないから。
───ギィィィィンッッ!!!
上からの弾丸の雨や下からの樹の枝による攻撃、そして増えたボス達の攻撃を避けて本物のボスの顔の前に再び次元斬の出口を展開する。が、相手も学んだのか左腕で防御してきた。
──ズバババババババッッ!!!
そのまま私は左腕をズタズタにしてそれを斬り落とす。今度は右腕で砲撃してきたが当たらなければ意味は無い。
「グォオオオオオオオッッッ!!!!!」
────ギィィイイイイインンッッ!!!
──ピシッ...!!
「ボォオオオ、オォォォオ...グッ...。」
もう片方の目を割ってとどめを刺す。周りの樹も萎れて枯れていき、最終的には燃えて消えた。その場に残されたのは私と相手の2人(両方とも人外だけど)だけ。
「ぉ、ぉわった...。」
龍化も解けて地面に座り込む。ボスが倒れた以上私の体力がこれ以上減ることは無いが、それでも残りの体力的に不安は残る。
「...また解体に時間が掛かりそう...。」
短刀には頑張ってもらったから少しだけ休んで欲しいしChaos Swordで解体しようかな...。斬れ味抜群だから意外とすぐに終わるかもだしね...。うん...きっとそうに違いない...。短刀はもうあの白いオーラもなくなっちゃったしね...。
「...ねむい。」
──パタン...
急に襲ってくる眠気。私はそれに抗えず目を閉じてしまった。
───......トウ...
ボスの攻撃を受けたらきっと即死だったので精神的な疲労がピークに達しました。イライラ棒か何かかな?




