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第603話 またですか...?




「敵襲ゥゥゥッッ!!!!」



まだ太陽の半分が隠れているような時間帯。なにやら門の方で騒ぎが起きているようだった。


「またか!」

「この前もあったばかりだぞ...?」

「なんかのイベントなのかね?」


「あ、アヤネたんだ!」

「これで勝つる。」



ログインして早々私は門まで来ていた。門を守る前衛の人達はもう既に魔物たちと戦っており、その数も多かった。



「...。」



刀を引き抜いて実体化させると同時に私は駆け出した。



───────────────


「...ふぅ...。」


「お疲れアヤネたん。」

「ありがとうございます。」



魔物の襲撃...スタンピードをなんとか凌ぎきった私達は魔物達をインベントリにしまい込む。最近スタンピードが多い。氷の国の街でもスタンピードに襲われたし...。これじゃあ門の修理も終わらない。



「原因はいったい...。」



分からない。なぜスタンピードが起こっているのか。根本から解決しようにもどこからやって来ているのかも分からない。気がついたら街の目の前にいる魔物たち。



「...しばらく荒れそうな予感。」



──────


私の嫌な予感は当たっていたようでゲーム内での次の日もスタンピードが起こった。生態系がどうのこうのって言うつもりはないんだけど絶対おかしい。こんな事が日夜起こっていいのか。



「おかしいよね。」

「えぇ。流石に3日連続はおかしいわね。今日もとりあえず地雷設置はして来たけど...。」

「街の人が可哀想です...。」



色んなプレイヤー達がこぞって解決のために出払っているが大した成果は未だに出ていない。これじゃあ次の街にも行けないし試練の塔にも挑戦できない...。



街を歩いてみてもいつも以上に人がいない。家に篭っているのか、はたまた駆り出されているのか。



「アヤネ。」

「っ!?」



後ろから話しかけられたが気配を感じ取れなかった。警戒しながら振り向くとそこには久しぶりに見る顔が。



「...シュリちゃん...?」

「うん。久しぶりだね。」

「......。」



シュリちゃんそんな口調だったっけ。もっとマリエスタさんみたいに威厳のある話し方だった気がするけど...。



「...貴女誰?」

「いやだなぁシュリに決まってるじゃん。」

「...で、何の用ですか?」



絶対嘘だと思うけど偽物とも断定できないからとりあえず話を進める。



「ねぇアヤネ。君の戦闘能力は凄まじいものだ。」

「...何が言いたいの?」

「私の仲間にならないか?」



ニヤリと嗤うシュリちゃんの姿をする何か。シュリちゃんはもっと可愛らしかった。



「いやだ、って言ったら?」

「別に諦めるからいいよ。」

「だったら──」

「──でも!でも、街がどうなるか私には分からないなぁ?」

「っ...。」



実はスタンピードはこの街だけにしか起きていなかった。すずに掲示板で調べてもらったけどやっぱり他のところでは最初の1回だけ全部の街で起きたが、それ以降起きていない。ならばこの街に何かがあるのだろうと私達は推測していた。何者かがこの街で狙っているものがあると。つまり...



「...狙いは私だったってこと?」

「そうだね。でも仲間にならないんだったら───」

「わかった。...でも人殺しはしないからね。」

「もちろんだよ。君には別の仕事をしてもらいたいんだ。」

「それはなに?」






「───下克上だよ」


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― 新着の感想 ―
[一言] やめて!いちゃいちゃからのシリアス展開で、前回との温度差を作り始めたら、温度差に弱いグッピーは精神まで燃え尽きちゃう! お願い、死なないでグッピー! あんたがここで倒れたら、これからの温度差…
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