番外編 ようやく出会ったこの2人
今日はバイトが無くても時間が無かったので番外編です。
──レティシアside
『ねぇセレスまだ〜?』
『もうシアったら...。』
『だって〜!』
広大な海を渡って、ようやく魔大陸とやらに着いた私たち。なのにここからまた飛ぶんだよ?文句も出るって。
──────
・シアちゃんは短気
・シアちゃんは戦闘狂
・戦闘狂
・どんだけアヤネと戦いたいんだこのシアは...
・やれやれ
・────
──────
『戦闘狂じゃないわよ!』
『ほらもう喧嘩しない。もうすぐ着くから。』
『ほんと!?』
揺らめく紅く艶のある髪に白魚のような柔肌。動画を見た時私はあの子のほっぺをムニムニしてあげたいと思ったの。それにあの子、動画で見る限りでもあんなにちっちゃいのに目だけは猛者中の猛者だった。
異次元のような動きも相まって
『───このサーバーで1番強いでしょ。』
『何か言った?』
『んーん!なんでもないわ!』
反応速度も人並み以上にあるみたいだし早く戦いたいな...。あージャパニーズカタナも気になる!打ち合ってみたい...!
『あーもう私先に行くわ!』
『ちょっ!?シアは場所わかんないでしょ!?』
『間違ってたら言って!!』
片方のみしかない翼を大きく広げて猛スピードで飛行する。後ろからセレスの飛行音が聞こえてきた。セレスも飛行速度を上げたのだろう。
『あの火山の麓にいるよ!』
『オッケー!急降下するわ!』
『えぇ!?ちょっと急に行くと迷惑だよ!?』
『良いって!...きっと防いでくれるはずよ。』
『なんて!?』
『なんでも〜!!』
───ギュォォォオオオオオオオッッッ!!!!
翼を折り畳んで急降下する。確かにあの山の麓に人影が見える。あの金髪の子と白い髪の子は目立ってるけど紅い髪のアヤネちゃんがいない。見えないだけ?そう思ってさらに近づいていくとハッキリ分かった。
私の得物であるショートソードをインベントリから取り出して飛行しながら構える。
『ッッ!!!!』
「...っ!」
『っ!?』
──フ゛ワ゛ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛!!!!!
不意打ちだったはずのソレを見切った白い髪の子、アヤネ。私の剣はアヤネの首の薄皮を1枚斬ったのに対し、アヤネが斬ったのは私の翼の羽根数枚。なるほどね...そりゃ強いわけよ。
「誰?」
『私はレティシア!特別にシアと呼んでも良いわよ!』
「...れてぃしあ?そのレティシアさんがなんで私に不意打ちしたんですか?」
『あー...ごめんね。日本語分からないからちょっとまっててね?』
「...はい。」
こくりと頷いたアヤネちゃんが可愛すぎる件について。
─────
・シアちゃん顔が...w
・見せられない顔になってるよw
・アヤネちゃん可愛いな...。
・───
─────
『はぁ、はぁ...やっと追いついた...!なんてことしてくれてるんだシア!!』
『そんな事よりもやっぱり強かったわよ!』
『え?そうなの?って違う!コホン...「アヤネ、さん。私はセレスティア、これはレティシア。急に襲ってごめんね?」
「あ、うん。でもビックリするからやめて欲しいな?」
「ごめんね...。」
これが私とアヤネちゃんの出会いであった。ちなみに今はスキルの影響で体の色素が抜けて真っ白になっているらしい。そんなスキルあるんだね...。
─────────────
─────────
『と、言うわけで私と戦ってちょうだい!』
「そう言われても...。」
『じゃ、じゃあセレスが素材集め手伝うから!』
『ちょっと?なんで僕なんだい?』
『えー?執事でしょ〜?』
『設定でしょそれは。』
『ぶっちゃけたわね。』
「えーっと...?」
『あーもうシアも一緒に手伝ってよね!』
『えー!?』
『えーじゃない!シアが戦いたがってるんだから自分でもやりな?』
『ぶぅー...。』
そんな訳で私も手伝うことに。なんてこった...。
それにしてもアヤネちゃんの反応速度は凄いわね。人並み以上なのは間違いないみたい。でも...
───私よりは遅いわね
ようやく出会いました。本当は時系列的にもう1、2話ぐらい番外編挟む前に書きたかったんですけどね〜。ちなみにアヤネたんの反応速度は常人よりも数倍優れています。アヤネたんの師匠や杏子さんの反応速度を「理解」したためですね。
しかし、それさえも遅いと言い切るレティシアちゃんはいったい...?




