番外編 入れ替わる立場
「にゃはは!もう制圧されちゃったか。結構強い魔物達送り込んだと思ったんだけどなぁ?」
「...。」
紅く短い髪を揺らしながら膝に載せている1人の女性の頭を撫でる。前までは立場が逆だったんだけどねぇ?俺と...いやこの体で『俺』はないか。私とルイン。そしてもう1人のルイン。
「今まで私のために頑張ってきたんだから少しくらい休んだって問題ないんだからね?」
「...。」
「ま、寝てるから反応なんてないんだけどねー。あっはっは。」
眠る女性...ルインの腹部にはもう1人のルイン...猫となったルインが体を丸めて眠っている。そっちもちゃんと撫でてあげる。気持ちよさそうで何より。
「...私たちにとっての楽園、ねぇ...。」
何者にも脅かされない、平和で争いの無い世界。それを目指していたはずの天獄の章もさっさと解体してしまった。
私が目指す世界は人間などいない世界。魔物ならば操ることなんて容易いからね。人間は操るのが難しい。特に異邦人なんて不可能に近い。
「もうすぐだから。」
「...。」
「もうすぐで出来上がるから。それまで待ってて。」
昔はあどけない笑みを見せてくれていたルイン。魔女だと認定されて迫害された彼女は最近ではもう遠慮がちな悲しそうな笑みしか浮かべなくなった。...今は眠ってるからあれだけど。
「何者にも脅かされない。何も気にしなくてもいい。そんな世界にしてみせるよ。」
眠るルインをベッドまで運び、寝かせる。
「さーて研究再開しますかね!」
薄暗い暗闇に残された眠る1人の女性。彼女の顔には薄らと笑みが浮かんでいたのであった。
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──レティシアside
『カッコよかったわよセレス!』
『うん。ありがと。』
この世界での強敵、アルキダスゼを下したセレスを褒める。やっぱり私の友達が活躍してくれるのはとても嬉しいものだ。
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・セレスちゃんカッコよかった!
・いつ見ても最後の技カッコよすぎ。
・またあの技も見たいなぁ〜!
・─────
────
『ふふ...また今度ね。』
『それじゃあセレス!赤髪の子の元に案内してちょうだい!』
『はいはい。分かりましたよお嬢様。』
アルキダスゼ以上の強敵はまだいる。この世界で最たる強さを持つアヤネという子。私の半分ぐらいの...は言い過ぎかもだけど背丈が離れている小さな女の子。9~12歳だと予想できるその子は今私たちのいる場所とは真反対の大陸にいるらしい。
『楽しみだなー!どれほど強いのか!』
『戦闘狂だね。』
『違うわよ!?いやでも違わないのかな...?』
─────
・シアちゃんは戦闘狂
・戦闘狂なの認めてください
・諦めて
・───
──────
『酷い!?』
『皆の意見が一致したから戦闘狂ってことで。さ、魔大陸に渡るために地図買おうか。』
『えぇ。』
私たちのサーバーとは違い、マップが大きく違うこの日本サーバー。本社がある日本のサーバーだけあって景色も段違いに美しい。ただ、海がとても広い。海以外何も無い場所を飛行したとしても魔大陸に辿り着けるかどうか...。
『いっその事セレスの感覚を頼りに飛ぶ?』
『...どれだけ飛ぶことになるか分からないよ?』
『それでもいいわ!早く戦いたいの!』
─────
・やっぱり戦闘狂じゃないか
・やっぱり戦闘狂だった
・無自覚でこれってこと?
・公式設定にも付け加えられてるぐらいだしな...
・じゃあ戦闘狂ですね
・─────
─────
『...途中で休憩したいのでまずは魔国という場所に行きましょう。』
『その次はアヤネちゃん?』
『...そうですね。......こんなポンコツに気に入られるなんて不憫な子ですね...。』
『ちょっとセレス!?』
私、ポンコツ、違う!
っともう飛ばないとね。
そうして私は右側しかない翼を出した。




