第572話 鰻...ウナギ...うなぎ!
遅れちゃった(ノ≧ڡ≦)☆
...2回目は寒い?ごめんて。
「あ、戻ってきた。」
床にめり込んでいた刀が消えたと思ったら私の手に戻ってきた。暫く手放していると自動的に戻ってくるようだ。これは嬉しい機能かも。
「次は何作るんだ?」
「いや作るとは限らねぇだろ。」
「アヤネたんって学生だよな?明日も学校あるんじゃねぇのか?」
「明日というか今日というか...。」
「あ、もうこんな時間...。」
「そうね。新しく買った家に案内するわ。」
「お嬢様、起きてください。」
「ん、ぅ...えぇ...。もうできたの?」
「そのようです。」
すずが立ち上がり、アンナさんもそれにつられるように寝ていたアリスを起こす。まぁただただ刀を打ち続けるのを見てるのはキツいよね...。
「おはようアリス。」
「おはようございますアヤネ。」
今にも欠伸をしそうなアリスにおはようと言ってその場に散らかっていた物を全てインベントリにしまう。それから先導するように鍛治場から離れる。
「ロイルさんありがとうございました。」
「あ、あぁ...。」
「?」
なんだか反応がさっきと違うんだけど...いやそんな事はどうでもいいか。鍛治師ギルドから出たあとはすずを先頭について行く。
「そういえばアイリス達はどこにいるの?」
「あぁ言ってなかったわね、先に家で待ってるわよ?」
「そうなんだ。家ってどんな感じなの?」
「...真っ黒ね。」
「...あぁ...。」
周りを見渡してみる。どの家も真っ黒だ。壁、屋根、庭の策やら全ての要素が黒い。確かにこれだとどんな感じ?って聞かれても答えようがないか...。
「内装は今までの家と似たような感じよ?まだ家具も初期設定のままだし...。」
「ふーん...。」
「らっしゃいらっしぁぁぁいっっ!!お!そこの嬢ちゃん達!これ食べてみねぇか!?」
「これ、ですか?」
「おう!ウチの自慢のブラックイール!別名、黒鰻の蒲焼さ!」
「おぉ...!鰻、蒲焼...!」
「あ、あや?」
「アヤネ...?さっきも唐揚げ食べたじゃないですか...?」
「いいの!別腹だから!」
「...アヤネさんって魚に目が無いんですね...。」
だって鰻だよ!?スーパーに売ってる鰻はよく食べるんだよねぇ。本場の鰻の蒲焼はどんな味がするんだろう...!
「おじさんいくらですか!?」
「ふっふっふっ!聞いて驚け!いつもなら1万Gだが、今日は半額!!」
「買ったぁぁぁっっ!!」
「毎度ありぃぃっ!!」
店主のおじさんとハイタッチして5000Gを払う。屋台の食べ物としてはものすごく高いが、おじさんは自信を持って売っていた。つまり1万Gを払う価値があるほど美味しいのだろう。
───はむっ...!
「っ...!!っっ...!!!!」
「目が落ちそうなほど開いてるわね...。」
「アヤネ...女の子がしちゃいけないほど顔が蕩けちゃってますよ...。」
「だってぇ...うむうむ...。もぐもぐ...。」
「あ、ダメですねこれ。」
食べれば分かるよ!この気持ち!分けてあげようかな...?でもなぁ...うーん...また買えばいいか。
「み、みんなも...た、たたた、食べ、る...?」
「決心できてないじゃないの...。可愛いけど。」
「か、かかキス間接!?」
「お嬢様も落ち着いてください...。」
鰻の蒲焼を堪能しているともうすずが買った家に到着していた。鍛治師ギルドから家までの道順?...鰻の蒲焼のお店までしか覚えてないですがなにか?
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「ん、ふぁ、ぁ...。」
次の日。いつも通り学校へ行く準備を済ませてから朝食を取る。
「...なぁ彩音。」
「なーにお父さん。」
「そろそろクリスマスだが、なにか欲しいものはあるか?」
「えー?まだ1ヶ月も先だよ?」
「...それも、そうだな。」
「急にどうしたの?」
「...いや、なんでもない。」
「...そっか。」
朝食を食べ終わったあと、片付けてから家を出る。
「おはよー美月ちゃん。」
「おはようございます彩音さん!今日も一日頑張りましょうね!」
「うん!」
こうして私の一日が始まる...。なーんてね。
うなじゅーおいしいよね。うなぎじたいあんまりたべたことないけど。




