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第565話 いつまで続く?




さっきのように青色の蜘蛛たちが周りを囲んで私たちを見つめる。私の敵である巨大な蜘蛛も私を敵視している。



「「...!」」



───ギィィィンッッ!!!



両者とも無言で跳び、私の刀と相手の2つの刃がぶつかり合う。私が盲目状態なのが分かっているのか、さっきの蜘蛛とは違って声による居場所バレを防いでいる敵はなかなか賢いと思う。...とはいえ心眼で全部見えてるからアレなんだけどね...。



───ぽわわわんっ!



一度距離を取って両足を上げた蜘蛛の真上にたくさんの水球が現れる。それらを警戒しつつも蜘蛛の方も警戒していると、水球がバラバラのタイミングで飛んできた。



───ジャバンッッ!!



切り裂いてみるとそれは破裂し、水が少しだけ私の外套に付着した。それらが大した脅威ではないと判断し、全てを切り裂いたあと、()()()()()()()()()()()()蜘蛛の不意打ちを逸らした。



「「...。」」


──ぽわわわわんっ!



無言で見つめあっていると、敵はまたもや水球を作り出した。斬った感触から大した威力もないことが分かっているそれをなぜ作り出しているのか。さっきみたいに不意打ちにだけ注意して斬っていると敵の足元が光ったのが見えた。



「っ...!?」



───バヂヂヂヂヂッッ!!!!



周囲に溜まっている水を介して戦闘エリア全域に広がる電気。咄嗟に飛んだから良かったものの、もし気づかなかったら感電死していただろう。もしやこれが狙いだったのか?



「もっと注意しないと...。」



AIによって最適解の動きをする魔物が意味の無い攻撃なんてしないだろう。早く気づくべきだった。


「でも、もう油断はしない。」



気持ちを切り替えて敵と相対する。相手も本気を出したようで足に電気を纏っている。ん?地面に何かある?

地面の至る所に張り巡らされている何か。踏んだらまずいと私の中で警鐘が鳴らされている。



「ふぅっ!!」



私が降り立つ地面だけ燃やしてみると何かが燃えていくのが見える。相手が蜘蛛だからきっと糸か何かかな?何はともあれ、踏んだら絡め取られるかもしれない。注意するべきことが多い...。



──キィンキキキキキィィィンッッ!!!



打ち合うたびに火花が散る。さっきの蜘蛛よりもちょっと力が弱い気もするけどそれでも十分強い。それよりも何か嫌な予感がする...。



「ふぅっっ!!!」

「...!」



焔を吐いて一旦距離をとる。その際に着地する地面を燃やしておくのも忘れない。敵は何を隠している?



「ギジャァァッッ!!!」

「っ!?」



一瞬で私の手足が拘束される。心眼でさえも見えなかった糸だ。...地面の糸は囮だったのか。



───ヂヂヂヂッ...バヂヂヂヂチッッッ!!!



糸を伝ってくる電気。私は冷静に自分の手に向けて焔を吐き、飛び上がりながら足にも焔を吐いて拘束している糸を燃やした。そして、焔を吐きながら敵との距離を詰めて6つの目を切り裂く。これでお前も盲目だ。



「...!」



───ズシャッッッ!!!!!



音もなく背後まで忍び寄ってさっきの蜘蛛と同じように殻の隙間から刀を差し込み、頭を貫いた。


───ズドォォォォンッ...



巨大な蜘蛛が倒れると、周りを囲んでいた蜘蛛たちが散っていき、空が晴れる。そしてまたもや白い階段が私の視界の端に映りこんだ。



─────────────



《──プレイヤーネーム:アヤネ に状態異常:貧弱(極大)を付与──》


─────────────

※貧弱:体力が半分になり、魔力を消費すると体力も同時に消耗するようになる。程度によって消耗具合が異なる。

─────────────



「うぐ...。」


階段を登りきると案の定、状態異常が更新された。今度は貧弱...心臓が締め付けられ、体全体が重くなった。



───ザクザクザクザク...



「いつまで続くんだろ...。」



今度は緑色をベースに黄色の模様が入った蜘蛛たちが私を囲った。



2/5

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