第544話 四面楚歌
「...むぅ。」
「あや?なんで拗ねてるの?」
「...逆に聞きたいんだけど、さっきまで散々抱きつかれたのになんで私はまた抱きつかれてるの...?」
「それはね。あやが1回死んじゃったから。それも私たちとはぐれた上で。」
「うっ...。」
それを言われたら私は何も言えないです...。
まるで人形のようにすずに抱きつかれている私は現在運ばれてます。何処にと言われれば分からないけど、多分収縮範囲内に向かうのだろう。と思ってチラッとすずを見ると曇りの無い笑顔を返された。可愛い。
「てぇてぇ...。」
「?」
ちなみにすずの隣にいるモネちゃんはさっきからずっと私たちの方を見て『てぇてぇ』とひたすら連呼している。てぇてぇロボットかな?そういえば『てぇてぇ』の意味を調べてみたんだけど、『尊い』って意味らしい。私たちが尊い?結局よく分からなかったけどパンダの名前じゃないことが分かったのでちょっと成長した?
「よーしよーし...あやはずっとこのままでいてね〜...。」
「むっ...私成長するから!すずみたいに大きくなるんだから!!」
「こぉーら暴れないの。」
「むぅぅぅ!」
無理やり抱きしめられて、そのまま頭を撫でられる。気持ちいいけど恥ずかしい。モネちゃんも微笑ましいものを見るような顔をしている。
「───ついたわ。」
「ここ?」
「うん。範囲の端っこ。ここならしばらく休めるでしょ。」
地図を見ると残された範囲も少ない。あっても精々直径100kmぐらいだろう。終盤戦に突入したって感じだけど残った敵はどのくらいなんだろう?
「索敵系スキルを取らなかったからね...まぁ最後まで頑張りましょ。」
「うん。」
「はい!」
─────────────────
『───と、この子らは言っておるがの...。ちょっと不味いな。』
『そうですね...。残った5チーム全部に囲まれてますね...。索敵スキルも全チーム持ってて、しかもちょうどその索敵範囲内にアヤネたんチームが入ってます...。』
『つまり四面楚歌じゃな。しかもそれにこの子らは気づいておらぬ。...まぁそれでも何とかしてしまいそうなのが怖いところじゃな...。本当に。』
『私もそう思います...。一騎当千のアヤネたんに高火力高耐久オバケ、別名:移動要塞のスズカさん、それと前2人と比べると劣りますが新規加入したサポートキャラのモネちゃん。なんですかこの化け物チーム。』
『さぁ...わしに言われてもな。じゃあ残った5チームの解説をしようか。まずはこのサーバーで『チーム』として1番古いジークフリート率いるクランじゃな。歴史ある故、連携も凄いぞ。トッププレイヤー達が集まるクランじゃからな。』
『私たちのクランですね。アヤネたんには勝って欲しいですが、やっぱりこっちも勝って欲しいところ...。どちらを応援するか悩ましいです。』
『次もイベントが始まる前に非公式で作られたクランじゃ。その名も【救済者】。各地で困っている人達を種族問わず助け回っているクランじゃな。メンバーも50人以上と多く、今回参加したメンバーは創設者の4人と残りの幹部6人の計10人じゃ。わしは危険な場所にも向かうこのクランにも期待しておるぞ。』
『すごいですねぇ...クランができたのはいつなんですかね?』
『「光と影の狂想曲」の最中じゃな。そろそろ次の紹介じゃ。次は本イベントにて新たに誕生したクランじゃ──────』
────────────
───────




