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第532話 三つ巴...三つ巴?




『───依然として硬直状態が続く両チーム。互いにチームメンバーは10人と最大人数同士での勝負となっております!配布されたスキルを使用しての牽制がちょくちょくと起こっておりますが、果たしてとうなるのでしょうか?』

『そうじゃな...。山の中腹と麓...地の利としてはショウが率いるチームが有利じゃが...事前に集められたメンバーの平均レベルを比べるとカラスバが率いるチームも負けてない...。つまりトントンなわけじゃ。両チーム様々なスキルで相手の位置は分かっておるが、互いの利に怯えて攻めあぐねている...といった感じじゃろうか?』

『なるほどぉ...これは次の範囲縮小で勝負が決まりそうですね!』

『うむ。』

『ん?おっとここで山頂からひとつのチームがやって来た!両チーム気づいて...いや山を見上げるカラスバチームだけは気づいている様子!』

『くくっ...我らのチームじゃないか。ジークフリート達は両チーム倒そうとしておるようじゃな。』

『漁夫の利所じゃなくて草。...こほん!身内贔屓という訳ではないですが、カエルどうしの戦いに蛇が乱入してきたような展開!』

『レベルの差も地の利もジークフリート達に軍杯が上がるしな。流石にショウチームもただで負けることは無いだろうが、生き残るのは難しいところ。』

『残り100mを切りました!そこでようやくショウチームはジークチームとカラスバチームに挟まれていることに気がついた様子です!これにはショウチーム、焦りを隠せないようです!』

『一般的に考えたらトッププレイヤーと対面したらそりゃこうなるはずじゃ。ジークフリート達のレベルも公開されておるが到底追いつけるレベルじゃないしな。...コメント欄の言う通り、トッププレイヤー達は軒並み情報屋によってステータスとか晒されておるが、アヤネ達だけは掴めないんじゃよなぁ...。まず人前に姿を現すことがないからステータス検証ができないんじゃ。』

『おっとそこまでですよブラキじゃさん!情報屋としてのブラキじゃさんもかっこいいですが!今は解説のブラキじゃさんですから!』

『そうじゃったな。すまない。お、ジークフリート達が攻め込んだようじゃぞ。』



───────────────



「くっそマジかよ...。」

「アイツらとやり合ってただけなのになんでトッププレイヤーが出てくんだよ...!」

「仕方ねぇだろ...挟まれているが幸い、下のやつらは逃げたようだしな。」

「...状況最悪なことに変わりはないけどね。」

「そりゃそーだ。」



「罠とか置けるか?」

「...やってるけど一瞬で解除されちまう。アイツらまじでバケモンかよ...。」

「敵は6人...俺らの半分ぐらいなのにな。」

「下手に木から顔を出したらヨイチマルにヘッドショット決められて終わるからショウは顔出すなよ?」

「もちろんだ。...それでどうする?」

「逃げるしかねぇだろ。」

「先に隠密持ちがここから離れて位置転換持ちがリーダーと隠密の位置を変える。それを他のメンバーも繰り返せば...」

「そんなのは向こうも分かってるはずだ。向こうがどんなスキルを持ってるのか分からん以上下手に───」



──スパンっ...



「しょ、ショウ──!?!!?」

「ジークフリートかぁぁぁ───!!!」



『ここでショウチームが脱落!ジークフリートさんは何をしたのでしょう!?』

『糸電話じゃな。糸を近くまで持ってきて会話を拾ったのじゃ。それで誰がリーダーなのかを把握した上で《チームリーダー》スキルを発動させぬまま殺した。というわけじゃな。』

『な、なるほど...《魔法地図》を使ってジークフリートさん達の位置が分かっていても、糸には気づけないですからね...。それにジークフリートさん達が1歩も動いていなかったという点でも油断はあったかもしれないですね。』

『そうじゃな。......ちなみにじゃが、みんな見ておらんと思うが、一足先に逃げたカラスバチームはヨイチマルによってカラスバを撃ち抜かれて脱落じゃ。』

『い、いつのまに...?』



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