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第531話 狩猟者と暗殺者




「《魔法地図》がなかったら地図が見れないかと思ったけどちゃんと地図自体は配布されるのね。」

「流石に範囲が分からないとどうしようもないと思います...。」

「それもそうね。」



すずとモネちゃんが森の中を歩きながら話している。私はというと目立たないように木々の上を転々と移動しながら会話を聞いていた。すず達を囮にするって訳じゃないけどもし接敵した時に私は奇襲ができる。それにモネちゃんはともかく、すずがいるから守りに関しては心配無用だろう。



「あ、スズカさん敵がいます...!」

「ん?結構遠いわね。」

「わ、私の《狙置》スキルを試してみてもいいですか?」

「そうね。私も気になるわ。」



私も気になるから木の上から観察させてもらおう。



「私、罠魔法が使えるって言ったんですけど、実はちょっとだけ特殊なんですよね...。」

「そうなの?」

「はい。普通の罠魔法は属性魔法とかそういうのを設置して、踏んだ敵にその属性攻撃を与えるってものなんですけど、私の場合自分で作った罠を罠魔法で設置するって感じなんですよ。」

「ん、んん...?」

「とりあえず見てもらったほうが早いですね。《狙置》」



モネちゃんはおもむろにインベントリからどんな敵を想定しているのか、強力そうなトラバサミを取り出し、早速《狙置》スキルを使った。すると、前方の岩場で歩きながら話しているチームの足元にそのトラバサミが転移した。




「 ───ァァアアアア......!!!!! 」



森の中に踏んだであろう敵の声が木霊する。...いや恐ろし過ぎる...。しかも踏んだ人はそのまま死んでしまっている。



「ふふん!私のトラバサミには猛毒が塗ってありますからね!さすがに猛毒は自作じゃないですけど効果は大きな熊一頭を確実に殺せるぐらい強いです!」



ドヤ顔で語るモネちゃんがただただ可愛いのだけど言ってることは凶悪すぎる...。



「ですが...トラバサミは消耗品なので回収はしたい所ですね...。」

「それじゃあ回収しに行きましょうか。」

「はい!」



たしかにモネちゃんにとってトラバサミは私の刀やすずの杖のようなもの。そう簡単に捨てる事はしたくないのだろう。それにトラバサミ自体自分で作ってるらしいから作る手間も考えると回収できるならそれ一択になる。



──ジャリっ...



「だ、誰だ!?」

「お前たちがテオをやったのか!?」

「...え、す、スズカさん...?」

「なんだと!?」



「そうねぇ。私じゃなくてモネがやったんだけど...。まぁいいわ。そのトラバサミ返してもらえるかしら?」


「っ、こ、断る!(...お、おい今のうちに戦闘態勢に入れ!)」

「「「(おう!)」」」

「俺たちのチームメンバーを殺されたんだ!素直に返すとでも!?」


「まぁそうよね...。それじゃあ死んでもらうわ。《サンダー・レイン・ストライク》」



「は──」

「え、ちょっ───」

「うそや───」

「《プロテク──」


───ズドドドドドドドドドッッッッ!!!!!!



強雷の雨が罠を差し出すのを渋っていた敵に降り注ぐ。不意打ちにもなんとか対応できた人も数人いるけど彼らはもう戦意喪失していた。



「ば、ばけもの...。」

「り、リーダーだけでも...」


「それさっきも見たわね。」

「たしかに。」



──ズパンッッ!!



リーダーの方を一瞬だけ目配せした男がいた。リーダーと思わしき人物にバレないように近づき、背後から斬り裂く。これでこのチームは脱落だ。...え?良いとこ取り?...暗殺者ってこんな感じじゃないの...?



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