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番外編 赤い少女と赤の魔法使い




「ふんふふんふふーん...。」



とある1人の少女が吹雪く中、固まった血がこびり付いた軽装備で歩いていた。鼻歌を歌いながら歩いている赤髪の少女は機嫌が良さそうだが、顔は全く笑っておらず、無表情だった。



───ザッザッザッ...。



そこに近づくのは大量の雪を踏みしめる音。進路的にそれは残り30mで出会うだろう。



「にひ...。」



それを聞いた少女が嗤う。───また獲物が来たと。



─────────────


───赤の魔法使いside



「これで全員か?」

「そうだな。」


炎の国、トトゥリエに集まった10人の戦士達。誰も彼もが強く、顔付きも真剣だった。



「それでは自己紹介をしよう。俺の名前はレン。初級とはいえ焔魔法の使い手だ。よろしく頼む。」



焔魔法とは炎属性の上位属性である焔属性を主に使う魔法のことだ。もちろん炎魔法は全て使える前提の魔法だけどな。つまり肩書きが『上級炎魔法使い』のやつよりも『初級焔魔法使い』のやつの方が強い。


「すごいですね...次は僕ですか...僕はリオって言います。上級氷属性の片手剣士です。氷の国のザコ敵に対して有効打があまり無いですがよろしくお願いします。」



スレの上級氷片手剣士ってリオだったのか。言葉遣いがだいぶ違うけど...まぁよくある事だよな。好青年って感じで連携も取りやすそうだ。



「あ、じゃあ次は私ですね。精霊使いのマオです!よろしくお願いします!」



この10人の中で唯一女の子であるマオ。リオとマオ...似てるな。というか...



「──魔王のマオと同じ名前なんだな。」

「そういえばそうですねー。」

「あー...」



誰かが俺と同じことに気づいたようだ。どことなく顔立ちも似ているような...いや魔王の方は種族が悪魔ベースだからなんとも言え────



「実は...お兄ちゃんなんです...。」

「「「「「はぁぁああああああ!?!!?」」」」」



衝撃過ぎるだろうが...!まさか自分の妹の名前でこのゲームやってたのかよ!


俺の気持ちが伝わったのか、マオは慌てた様子で首を振った。



「実は私、余命宣告されてたんです。」

「えっ...」

「丁度1年ぐらい前ですかね...。そんな時にこのゲームの発表があって...。」

「そういえば発表からもう1年か...。」

「はい。私小さい時からずっと病院にいて外の景色とか分からなかったんです。そこでお兄ちゃんがもうひとつの世界を謳っているこのゲームでたくさんの景色を写真に収めてくるってこのゲームを始めたんです。私にその写真を見せるって言って...。」

「なるほど...妹想いの良い兄貴だったんだな...。疑って悪かった。」

「いえいえ!誤解が解けてよかったです。」

「...それで余命の話はどうなったんですか?」



誰もいえなかったのにぶっ込んだな...。



「このゲームが発売されてからひと月経った頃ですかね...眠る私の元にある女性が来たそうなんです。その人は特に何もすることなく帰って行ったそうなんですけど、その後の診断で何故か私の病気が綺麗さっぱり無くなってたんです。」

「えぇ...何があったんや...。」



余命宣告される程の病がある日突然綺麗さっぱり無くなるなんてことがあるのか...?



「そんな訳で今は私もゲームができるんです。」

「思った以上に重かったわ。」

「そうですね...。」

「今日は俺が守ってやるぜ。」



というかまだ自己紹介の途中だったな。次は...



「自己紹介の続きをやりましょう。次は俺からで。俺はピードって言うっす。雷属性の短剣使いっす。」



────────────

─────────



「それじゃあ自己紹介も終わったことだし、そろそろ出発するぞ。」

「「「「「おー!」」」」」



こうして氷の国に向けて出発したのであった。




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