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番外編⑥ アント倒してまたアント。



「おっ?」



ウォーターアントクイーンを倒し、来た道を帰る為に踵を返そうとすると、この部屋の奥にさらに道が続いているのを見つけた。



「どれどれ〜?」



通路を進むとそこには古ぼけた木箱が置いてあった。



「これってお宝...?」



──ギギギ...。



軋むような音を出しながら開かれていく宝箱。



「ゴマだれ〜!」



出てきたのは水色のヘアピン。帰ったら鑑定屋で鑑定してもらおう。...まぁボロボロの木箱から出てくるぐらいだから期待はしないけどね...。



「あとはない...よね?」



見逃しがないように目を光らせる。



「...めんどいし先に行きますか!」


だが、それも数秒で諦め、先に進むことを決意する。




─────


───




次の横穴では、風属性の蟻が出てきて大変だった。何が大変だったかというと魔法をバンバン使ってくるからHPがゴリゴリ削られる。

土、水属性の蟻達はそこまで魔法は使ってこなかったから近づかれる前に魔法で倒せば良かったけど、今回は遠距離攻撃中心だったからすぐには倒せないんだよね...。


そして、そこのボスは予測通りウィンドアントクイーンだった。こちらも土、水と違い魔法を多用してきたので苦戦した。何せ風の刃という見えない攻撃をどこからともなく放ってくるから怖いなんてもんじゃない。


で、ここにも奥に続く通路があって、その先にはちょっと豪華になった木箱。

ちなみに中身は緑色のブレスレットだった。



そんな感じでどんどんと日を跨ぎながら攻略していった。



─────


───


「ふぃー!やっと倒せたぁ!!」



洞窟の中で一体の死体と一緒に寝転がっている涼香。転がっている死体はファイアアントクイーンの上位互換であるフレイムアントクイーン。操る炎の威力がファイアの時と比べると段違いに強く、また、効果範囲も広い。

だが、そんな敵も危なげなく倒したのである。



涼香はこれまでにウィンドの次のファイア、ダーク、ライト、グランド、アイス、サンダー、フレイムの合計7体のアントクイーンを倒してきた。

とっくに気づいていることだろうが、この世界に存在する基本属性の蟻が全部出てきていて、さらに、その属性から派生、または上位互換の特殊な属性が下に進めば進むほど出てきていた。

そして、当然のごとくレベルも高くなっていく。



流石は有名なダンジョンである。



「さてさてお宝お宝〜!」



これも進んでいると分かった事なのだが、下に進む事に横穴のマップが広くなって居るのだ。

つまり、下に行けば行くほど横穴攻略に時間が掛かるということ。そうなれば敵にエンカウント(接敵)する確率も高くなり、危ないのだが、そんなデメリットばかりでもなく、当然メリットも存在する。


それは、宝箱の中身が豪華になっていくのだ。

1番最初は無し、次の横穴ではボロッボロの木箱。次は小綺麗な木箱...とどんどんグレードアップしていて、それに伴って中身も豪華になっているのだ。


その中でも1番価値のある物といえばこの『雷撃のネックレス』だ。

サンダーアントクイーンを倒した先にあったんだけど、使ってみると電気系の技の威力が上がったように感じたから雷魔法をよく使う私にとって1番嬉しい。



「...よし...。」


ようやく最下層まで来て、2つある横穴の内のひとつの前に来た。今いるのは一寸先は闇状態の横穴の前。もう一方は光り輝く横穴。2つの横穴は対極同士で真ん中に台座みたいなのがあるが、何も無いので多分最初にダンジョンに来た人が取ったのだろう。



覚悟を決めて禍々しい気配を感じさせる横穴に入る。下に来れば来るほどこの気配もどんどん強くなっているのが分かる。

特に、グランドあたりから濃くなっているように思う。だから気を引き締めないと危険だと体が勝手に判断してしまうのだ。


今入ろうとしている横穴はダークの上位互換であるダークネスアントクイーンの巣。ダークではちょっと視界が悪いだけだったけど今回はさらに見えなくなりそうだ...。




そんなことを考えながら私は闇に呑まれていった。





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[一言] 闇に呑まれよ!
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