第499話 激闘
「私もただで攻撃を受けた訳じゃない。」
「?」
「《アクア・リング・イン》《アウト・ツー》」
彼女はなんと自身の両手を渦巻きの中に入れて、両手の切れ目に渦巻きを発生させ、新たに手を生やした。その腕は...赤く...
「私の...腕?」
「ふふっ...君の力はよく分かった。ならばそれを使わせてもらうよ。」
もしかしたらあの渦巻きに体の一部を入れると、それをコピーされてしまうのかも。そうなると無闇に渦巻きに飛び込んでしまうと全部コピーされちゃうかもしれない...。
「あとこんなものもどうかな。《アクア・ブレス》《アクア・イン・アウト》」
「!?」
彼女は口から青色のブレスを放つ。それは生成された渦巻きに入っていくと、その前に現れた渦巻きから出現する。...そこまでなら今までどおりだったのだが、それはまた先程の渦巻きに吸い込まれていき、またまた出口から出現する。無限にループするそれに私は困惑した。一体何がしたいのか...?
「不思議そうな顔をしている君にだけ教えるよ。...私のこのリングは入る前の技よりも出たあとの技の方が威力が上がるんだ。」
「...つまり」
「この工程を繰り返せば繰り返すほど技の威力は無限に上がる訳だね。」
「っ!」
───ズガァァァンッッ!!!
「...君の攻撃を受けるために私は君の腕をコピーしたんだ。」
「...。」
あれを壊せばまだ小さい威力で受けられる。だが、それをさせない彼女。
───ズガガガガガァァァンッッ!!
「ふふふっ...君の力は凄いな。コピーしたこの腕でさえ痺れてくる。」
「...。」
私の腕を出力する渦巻きを壊せたらいいのだが、いかんせん彼女の防御が上手い。
「あぁそうだった。《アクア・リング・アウト・ツー》」
「...私の元の腕も忘れないであげてくれ。」
「っ!?」
───ガッッッ!!!!
不意に現れた杖による攻撃を腕で受け、一度離れる。...戦いづらいなぁ...。
「...そろそろかな。《アクア・リング・アウト》」
「!?」
私は驚いてばかり。いつの間にか凄まじい迫力になったブレスを前に私は...
「...。」
────............!!!!
周囲の地面が削れていく。だが、私には当たらない。
ブレスの攻撃は流れがある。これは自分でも炎のブレスが吐けるからこそ言える。流れがあるということは、ブレスは面攻撃でありつつも、その実無数の単体攻撃であるとも言える。その流れさえ見ることができれば...
「ふ、ふふふ...君は...いや、流石と言うべきか焔龍王。」
「それはどうも?」
焔龍王はスカーレットだからなんて返したらいいか分からない。
『...今はアヤネが焔龍王。まだまだまだまだまだ拙いところはあるけど誇っていい。』
『...そっか。』
...まだが多いけど認められたってことでいいのかな?
「じゃあこうしようか。これが最後だ。見せてくれ焔龍王の力を。《蒼龍》」
「!」
────ビキビギッッ!!!
彼女は変身した。私がよく知る...龍の姿に。その姿は私の紅い龍の姿とは似ても似つかないが、同種であることははっきりと分かった。
それと...
この会場がすごく広くて助かった。
「────《焔龍王の力》」




