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第498話 ぶいえすじょーおーさま




『特殊ボス:超級龍人種・冷徹なる水龍王・ウォリティア・ウンドージアが現れました』


『ボスバトルに参加しますか?0/1』



「え...?」



ウンドージアという名で心当たりのある人物は1人しかいない。女王様が座っていたところを見るとそこには誰もいない。




────バサッッ!!...スタッ...



それと同時に青い翼をはためかせ、軽く着地する女王様を視界の端に捉えた。




「...さぁエキシビションマッチの始まりだ。」

「...デスヨネ。」



実はこうなることを覚悟していた。それはすずの情報のおかげ。この大会の優勝者は特別に女王様と戦うことになるらしく、勝てば何か一つお願いを聞いてもらえるんだとか。

だからたとえ私が特別に参戦したとしても優勝してしまえば女王様と戦うことになるのだ。


ならばなぜ私が驚いたのかというと、女王様が特別なボス扱いだったということ。特別って言うことはその名の通り普通とはまた違う括りのボスだということ。すずから聞いた限りだと戦い以外にもなにかイベントがあったりする...そんな特別なボスがこの女王様だというのに驚いたのだ。



「アヤネ。君の戦いはこの目でしっかり観させてもらったよ。」

「そういう女王様こそ街中での戦いはじっくり観させてもらいました。」

「うん...うん...やっぱり可愛いね...。君に女王様って言われるのも...じっくり見られるのもいい。」

「...?」

「戦いに関して言えば、概ね見せた通りだよ。...なぜか異国から来た人には戦い方がフー〇って言われるんだけど。...〇ーパって何かわかるかい?」

「ごめんなさいちょっと分からないです...。」



フ〇パ...?初めて聞いたけど何やらこれ以上触れちゃいけない気がする。



「まぁいいや。...そろそろ戦おうか。みんなも待ち望んでいる事だしね。」



これまでの淡々とした表情から一転し、今度こそ満面の笑みでそう言う。可愛い。これが「ぎゃっぷもえ」ってやつ?




──────────

───────



女王様が大きく綺麗な杖を取り出し、こちらに向ける。私はまだ修行中だから武器は持たない。



「ふふっ...やっぱり君は武闘派か。こんなものはどうだい?《アクア・リング・イン》《アウト・テン》」



杖頭を街中での戦闘の時に見た渦巻きに突っ込むと私の周囲に現れた10個の渦巻きから杖頭が出てきた。慌てて避けたが、普通に掴めばいいことに気づいた。



「っ...力強いな...。」

「...まぁそうですね。」




STRが凄いことになってるからね。久しぶりに試合後にでもステータス見ようかな。


あ、杖奪い取れちゃった。




「《アクアブロッカー》」

「っ!?」



───ブシャァァアアア!!!!!



と、思いきやその杖から大量の水が吹き出し、私の体を吹き飛ばした。



「君から攻撃はしないのかい?」

「...じゃあお言葉に甘えて。」



水を被って寒くなっちゃったから体を温めたい。今度は私から攻めよう。



───ジャリッ...!...タンッッ!!



「おっと考え無しに突っ込むのかい?《アクア・リング・イン》《アウト》」

「...。」


私の後頭部に私の拳が当たる寸前でピタリと止める。いや、止めた。その後、私の拳が出てきた方の渦巻きに攻撃をすると、その渦巻きは崩壊した。


これで確信した。あの渦巻きは入口専用と出口専用がそれぞれある。入口に様々な攻撃を加えると出口から全く同じものが出てくる。...そして、その攻撃を同時にたくさん出せる。つまり、相手にはダメージを与えられず、反撃され、しかも倍になって返ってくるというすごい強い技だということ。ただ、出口に当たる渦巻きは攻撃が当たると簡単に壊れちゃう。





そして...





「懲りないね!《アクア・リング・イン》!」

「《刀堂流刀技:奥義・次元斬》」




()()は亜空間を経由している。




────ガァァァンッッ!!



「く...ぅ...!」



亜空間に拳が入ったと同時にこちらの次元に戻すよう技を使って、女王様の肩口に拳をぶつける。それによって青色の鎧を凹ませてしまった。



「まさか、もう対策されるとは、ね。だがまだだよ。」




少し苦しい顔をしたが、直ぐに涼しい顔に戻る。戦いはまだまだ続くようだ。



なんか本格的にリアルの方が忙しくなってきました。すみません土日の投稿を休ませていただきます...。

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