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第493話 焔龍王様と水龍様





「結構...大きいねコレ...。」

「「可愛い...!!」」



水龍祭ということで記念に買ってもらった女王様のぬいぐるみ。中々大きいみたいで私は両手で抱える。あ、このぬいぐるみなんかいい匂いする。



「スクショスクショ...。」


「お、気づいちゃった?水龍様のぬいぐるみには女王様が使ってる香水の原料が使われてるんだよね〜!気に入って貰えたようで何より!」

「すんすん...うん...。気に入りました。お姉さんありがとうございます。」

「っ!そ、それは良かった!また来てくれ!...可愛いな...。」



──ナデナデナデナデ...



「...どうしたのすず?」

「...なんでもないわ。」

「私も撫でたいです。」



──ナデナデナデナデ...

──ナデナデナデナデ...



「????」




何この時間?あ...んぅ...気持ちいぃ...。



「いや本当に癒しねぇ...。」

「そうですねぇ...。」

「他のとこも見ようよ?」

「えぇそうね。撫でるのはいつでもできるし。」

「はい!あ、でも手が繋げない...。」

「あや...。」

「やだ。」

「まだ何も言ってないわよ!?」

「私このぬいぐるみ気に入ったから。抱き心地が凄い良いんだよね〜...。」

「あ、あやが...浮気...!?」

「うぅぅぅ...アヤネぇぇ...!」




2人が手を繋ぎたがっているが、ぬいぐるみを持っているため繋げない。残念でした。...ん?別に前の街で『お母さんとお母さんと娘みたい』って言われたの根に持ってないからね?絶対違うからね?



「...まぁそんなあやを私が抱えるんだけどね。」

「ひゃいっ!?」



急に視界が高くなってびっくりしちゃったけど、これはこれで新鮮な感じだ...。というかぬいぐるみを抱えてる私がすずに抱えられてる状況がなんか面白い...。




「次はどこに行くの?」

「じゃあ...お城の前まで行ってみよー?」

「おっけー任せなさい!」

「す、スズカさん後で私にも...」

「分かってるわ!」

「おぉ!高い高〜い!」



すずにお腹を抱きしめられているからいつもよりも背が高い。歩いている他の人たちもよりも背が高い今の私は最高の気分。



「あれ?」

「ん?どうしたのあや?」

「...あれは...。」



すずのお陰であっという間にお城の前まで来たが、お城の前には私が知っている人達がいた。...もう二度と会いたくなかった人達だ。





「出てこい神に仇なす反逆者がぁぁッッ!!!」

「水龍とやらよ!!お前のような者が神として崇められてたまるかッッ!!」

「粛清してやるッ!!!」

「そうだそうだぁぁあ!!!」

「うぉおおおおお!!!」

「────!!」

「───!」




白いコートのようなものを着た人達...忘れもしないイレジオンで出会った宗教勧誘してきたあのオジサン達。そして...すずを不意打ちで攻撃してきたあの人たち。



そんな人達がなぜお城の前でデモ活動をしているのだろうか?




「──神は龍神様ただ1人!!龍神様と次期龍神様である焔龍王様しか有り得ない!!」



...そういうことですか...。水龍様こと女王様が神様として崇められてるから、龍神様と焔龍王様...スカーレットしか認めないあの人たちが怒ってる...ってことだよね?本当にそうかは分からないけどね。



「静まりなさい。」


「「「「「「「ッ!?」」」」」」」



「...私を神だと崇めているのは我が国の民たちだ。私に言うのはお門違いも甚だしい。」



「それで?こんな人を集めて何をしようと?まぁ想像はついてるけど。」



城壁の上からの声に目を向けると、そこには私が今抱いているぬいぐるみと同じ姿の、同じジト目をしている龍人がこちらを見下ろしていた。






...背丈は完全に負けてるけど。



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