第484話 バカンス
「それにしてもアリアちゃんの魔法凄かったわねぇ...。」
「そうだね...広範囲が一瞬で凍りついてたからね。」
戦って思ったけど、アリアちゃんは一対多の戦闘に適正があると思う。もちろん一対一でも十分強いけどそれ以上に真価を発揮すると思う。それこそ一対多は彼女の独壇場となるだろう。まぁ私対策に一対一用の魔法も用意してくると思うから次に戦う時はどうなるか分からないけどね。
「ここがジサーリス...なんというか...ハワイみたいね。」
「ハワイ行ったことないから分からないけどそれっぽい。」
まるでハワイにバカンスにやってきたかのように感じる街並みのジサーリス。景色だけ見ると大事である防壁が場違いに思えてくる。
「あ、このバラのアクセサリー可愛いわね。色んな色があるからみんなでお揃いにする?」
「いいねー」
「あやは白が合うんじゃない?」
「そう?じゃあそれにする!すずは...白い髪だから黒?」
正直映える色の組み合わせとかよくわからないからなぁ...。
「黒...バラ...。あやありがと...。」
「んぇ?うんどういたしまして...?」
なんかすずが感動してるんだけど...。そんなにいい物だったのかなぁ?
「私もアヤネに決めてもらいたいです...!」
「ん〜...アリスは...赤...?」
「...アヤネの...色...。ありがとうございますアヤネ...!」
「う、うん...。」
赤が合いそうかなって思っただけなんだけど...。
「アンナは......紫色かしら?」
「!お嬢様...ありがとうございます!」
「いつもありがとうねアンナ。」
「いえ!お嬢様に仕えることが私の幸せですから...!」
「アイリスのは私が選んであげる〜!」
「...じゃあメルのは私が選んであげル。」
「アイリスは〜...ん〜...緑!」
「...メルの色じゃン...まぁいいけど。メルは......じゃあ黄色。」
「...い、いいの?」
「...何?気に入らないなら違うのにしたラ?」
「ううん...。ありがと...アイリス。」
「...ん。」
「...ラブラブねぇ...。」
「そうなの?」
「そうですよ。...私ももっとグイグイ行けたらいいんだけど...。」
これで色は違えどみんなバラの髪飾りを付けていることになる。お揃いっていいねぇ。
「じゃあそろそろ宿取りに行こっか。」
「そうね。その後は湖にでも行ってみる?」
「私行ってみたいです...!」
「私も行きた〜い!」
恐る恐る手を挙げたアリスと勢いよく手を挙げたメル。なんだか2人ともテンションが上がっているようだ。何かあったのかな?
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「それじゃあ湖、行きましょうか。」
宿を取り、南門から街を出てしばらく進む。道中にすずから湖についての話を聞いたけど、何やら水上アスレチックなるものがあるみたい。ちょっと挑戦してみたいよね。
「ねぇねぇ水上アスレチックってスク水着てやるらしいよー?」
「えー!?私挑戦するの止めようかなー笑」
「あはは!モミジ大人だもんねー!」
「むぅ!まだ中学生だよ!」
「もう大人のモデル顔負けの背の高さなのにね〜!笑」
「くっ...そういう訳だからシイナだけでも楽しんでね...!」
「目いっぱい楽しむから!」
「...。」
「...そのあや...。気にしなくてもいいのよ?」
「...。」
...ログアウトしていいかな?




