第483話 化け物
──アリアside
「こ、高校生、でしたの...?」
「...ふーん。」
「あの...ごめんなさい...。背が私よりも低かったのでその...。」
「幼児体型って言いたいのかー!」
「そんなこと言ってないわよ!?」
泣き顔が唆る...じゃなかった。見た目はもう完全に小学生なアヤネ。というか年下だと思ってたから呼び捨てだったけどさん付けした方がいいのかな...?
「すず...私って小学生...?」
「ぶふっ!?あ、あや...?どうしたの?」
「だって皆...。みんな私の事小学生ってぇ...。」
「よしよし...大丈夫だからね?十人十色よ。みんな違ってみんないいの。小さいからそう見られるのは仕方の無いことだけど、可愛いからいいじゃない。」
「そう...かなぁ...?なんか...そうじゃない感がすごいけど...んぅぅ...?」
「考えなくてもいいのよ...。あやはそのままで。小さくとも戦う姿はカッコイイから。」
「そうかな?えへへ...。」
「うわぁ...今私変なもの見てますわよね...?」
「いつもの事だヨ。」
「洗脳紛いのことがいつもの事ね...。こっちまで頭がおかしくなりそうだわ。」
「それで、貴女はなんでここに〜?」
「アリアと呼んでも宜しくてよ。私もあなた達みたいに旅をしてるのよ。私のお父さ...セバスと一緒にね。」
「へぇ〜。」
「...貴女の名前は?」
「メルって言うんだ〜!いいでしょ〜?」
「え、えぇ...そうね...?」
この翠色の髪をした女の子はなぜか猫耳を付けている。人懐っこくて可愛いわね。...というかアヤネ...さんに集まる子達って皆人一倍可愛いわよね...。どうなってるのかしら...。
「にゃぁぁ...んぅ...。」
「あら。失礼したわ。」
「...。」
笑顔が眩しくて思わず頭を撫でてしまう。なぜか金髪の女の子が私の方を見て不満そうな顔をしているが、私何かしただろうか?
「ん...。話は戻すけど、この辺りの氷は全部アリアちゃんが?」
「ん?えぇ。魔法の練習がてらそこら辺の魔物を狩ったのよ。」
「すごいねぇ...こんなに広範囲に...。」
「ふふん。最近頑張ってるからね。そういうアヤネ...さんはどうなのよ。」
「...今まで通りアヤネでいいよ。私はどーだろ...色んな技を覚えてるけど使いこなしてるって訳じゃないんだよね...。」
私と別れてからアヤネもずっと鍛錬し続けていた。...ここであったが100年目。
「...私と勝負しなさい!アヤネ!」
「うぇぇえ!??!?急に!?」
あれから一、二ヶ月私も頑張ってきた。その成果...全てをアヤネにぶつける。それでも勝てないのであれば、それは私の実力不足。鍛え直せばいいだけ。
「だから...ガッカリさせないでよね!」
「...もちろん。幼児体型って言ったこと後悔させるんだから!」
「だから私それ言ってないよね!?」
出鼻をくじかれた感があるが、あの日から熱く燃える闘志は未だ燃え続けている。
最初に私が使う技は...
「───《雪月蝶の協奏撃・II》」
──♪︎〜♩〜〜♪〜
鈴の音色が鳴り響き、周囲に疎らにあった氷を上書きするように雪が積もる。離れていたアヤネのパーティメンバーは吹雪でもう既に見えなくなっている。対戦相手のアヤネの目は...っ!?
「...頑張ってきたみたいだね。だけど、この程度なら...」
───ブワァァァッッッ!!!
な、なに...翼で...吹雪を押し返した...!?
「これで視界はクリアになったね。」
「...相変わらずねアヤネは。」
やっぱりアヤネは化け物だ。
話を戻して5秒でバトル。




