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第474話 vs.Trick or Trick



──スズカside



目の前に漂っているのは身体中にオレンジ色の管が走っているトリックちゃん。頭のカボチャもよくよく見たらなんだか変な材質でできているように見える。



【《ゴースト・ハンド》】


トリックちゃんの手に巨大な黒い鉤爪が現れ、私の魔法を握りつぶす。もうあれだけで全部防がれるんじゃないかな...?と思う。...でもまぁ



「...私は1人じゃないしね。」


「《ホーリー・バレット》!」



───ガジュンッッ!!!



私の魔法の隙を埋めるようにアリスが魔法を放つ。アリスの魔法は基本的に全て聖属性だ。闇属性系統に滅法強い聖属性の魔法を浴びたらいくらトリックちゃんでもキツイだろう。

それでもトリックちゃんはまたもや巨大な闇の鉤爪で魔法をかき消す。しかし、あまりにも巨大だったその鉤爪は僅かながら小さくなっているように見える。間違いなくこれは有効打だ。




「《マルチプル・サンダー・マイン・ストーム》」

【ウザイ...!《ダークネス・インパクト》】



多数の地雷を生成・吸収させ、雷の嵐へと昇華させる。これは攻撃でもあり、視界不良にさせるためでもある。打ち消すために意識を割いているうちにアリスが少し大規模な魔法を放てば...



「少しだけ痛いですよ!!!《セイクリッド・バインド》!!」


【ッ!?】



雷の嵐を一点突破したトリックちゃんを待ち受けていたのはアリスの聖属性拘束魔法。見事に雁字搦めとなったトリックちゃんは地面に墜落していく。慌てて駆け寄るが...



【こ、んなモノォ!!】



───バギンッッ!!



幾十にも重なっていたアリスの拘束魔法が呆気なく解かれた。そのまま地面に落ちることなく、再び空に舞い上がる。



【お前ぇ...!《トリック・シュート》!】



無数の色んな色の玉が私...ではなくアリスに向かって射出される。私だったら全部防げるんだけど今アリスは私との距離が離れている。だが、心配はしていない。



「《無敵》!」



────ズガガガガガガガガガガガガッッッッ!!!!



1発1発が即死級であるその玉の攻撃を真正面から、アリスを庇うように何食わぬ顔で受け止めたのはアンナさんだった。


■■■■■■■■■■

【名前】武器スキル:《無敵》 消費MP:500


【効果①(LV.1)】スキル発動時、3秒だけ自身を無敵状態にする。なお、クールタイムは60秒。

無敵状態:一切のダメージ、及びダメージによる衝撃を負わない。


【効果②(LV.5)】以降レベルが10上昇するごとに無敵状態の時間が1秒ずつ増える。


LV.─:AGI+100

■■■■■■■■■■



「私だって...何もしてこなかった訳じゃないですッ...!!」



5()()()耐えたアンナさんを心の中で褒めながらアンナさんのスキルが切れる前に近づいてシールドを貼る。



「ありがとうアンナ...。」

「い、いえ...。これが、私の仕事ですので。防御は...私に任せてお嬢様は攻撃に専念してくださいっ!」

「えぇ!」



アンナさんの声が震えている。それはそうだろう。1発が自分を死に追いやれる攻撃を5秒間無数に受け続けたのだ。怖くないわけが無い。とりあえず私も一緒にいようか。



【忌々しい...。私は今一番気分が悪い...。私はツヨクならないといけない...。邪魔を...








───するなぁぁぁあああ!!!!!!!!】




───ズガァァァアアアァァァアァアアンンッッ!!!!



溢れんばかりの轟音が辺り一帯に鳴り響き、周囲の建物が衝撃波によって崩壊する。



トリックちゃんのカボチャの頭が変形していき、ついに身体中を覆ってしまった。完全にオレンジ色に染まったトリックちゃん。


トリックちゃんとカボチャはそれぞれ違う意思があるんじゃないかと思わせてくるほどトリックちゃんの一瞬見えた顔が悲痛めいていた。




もし私の予想が正しければ...





彼女は...




元々人間だった...?



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