第468話 レイドボスの誕生
「トリックちゃん大丈夫...?」
【こ、来ないで...!!】
「...。」
一体どうしたものか...。トリックちゃんはかぼちゃを被っているのに私と話すことを怖がっている。何でなんだろう...?
【...っ!】
───ぽふんっ!
「あっ!...行っちゃった...。」
トリックちゃんに何があったんだろう...。街を攻めるような子じゃなかったはずだけどなぁ...。
「...そこの竜人よ。」
「ん?」
「君があの忌々しいかぼちゃの魔物を倒してくれたのか?」
「倒したっていうか...逃げられちゃったんですよね。」
「それでも我々は君に感謝を伝えよう。我々の街を守ってくれたのだからな。」
「ありがたく受けとっておきます。では。」
さっきトリックちゃんに首を跳ねられそうになっていた隊長さんが公衆の面前で頭を下げてきた。そういえばここ街の中だったなと思い出しながら私は周りの目から逃げるためにぶっきらぼうに返答してしまった。
「次に出たら...逃げられないようにしないと。」
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──トリックちゃんside
【...。】
あの化け物はなんだ...?あんなやつが他にもいたなんて...。あのにっくきペパポペルは物理的に囲ってきて逃げられないようしてきたが、アレは何もしていないのに暫く動けなかった。近づいてきただけで私は...私は...。
【...考えるだけ...ムダ。私は...ツヨクなるために...人族魔族を滅ぼす。】
そうと決まればまずは自分を鍛えなければ。化け物に勝つためには自分もあれみたいにツヨクなればいい。
これまで通りお菓子を集めて街を侵略しよう。
【ふふふ...。】
お菓子お菓子...お菓子...。
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『レイドボス:超級魔神種・ハロウィンの権化・Trick or Trickが現れました』
『レイドバトルに参加しますか?参加 0/50000人』
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「あや!どこに行ってたの!?」
「ちょっと魔大陸に...。」
「もう...いつも何も言わないで行っちゃうんだから...。」
「ごめんね?」
「お仕置きね。」
「えぇっ!?」
「だっていつもお仕置きしてるのに自重しないじゃん。それってお仕置きされたいってことでしょ?」
「ちーがーいーまーすー!!」
「まぁ違ったとしてもお仕置きは確定してるけどね♪」
「うにゃぁぁあ!!!助けてアリスぅ...。」
「可愛い...けど今回ばかりは私もおしおきに加担させてもらいます!」
「そんなぁ...!」
アリスもすずの共犯者だったとは...!そうなるとアンナさんもアリスの共犯者に...。うぅぅぅ...アイリスのとこに行ってみ────
「逃がさないわよ?」
「逃がしませんよ!」
「私は扉の前で立っておきますね。」
「...おわった。」
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「え...これ本当に付けるの...?」
「えぇ。あやのためにわざわざ買ってきたのよ。」
「...。」
私の手に握られているそれはカチューシャにフワッフワな装飾が付け加えられているものだった。...所謂猫耳というものだ。
「今日1日『にゃん』以外使ったらダメよ?猫なんだから。」
「そ、そんな...!」
「ん?あや?」
「.........にゃぁ。」
「「かわいいっっ!!!」」
「にゃぁぁぁぁ...!!!」
どうしてこうなった...。
今日も今日とて課題をば...にゃはは(白目)




