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第465話 ハロウィンと暴走




『Trick or Trickが各地で大暴れしている。』


「「「「「...。」」」」」



私たちはそれを聞いて絶句した。カボチャがない時はあんなにも恥ずかしがり屋で、カボチャを被っている時もテンションが高い子供みたいな感じたったトリックちゃんが世界中で暴れている?言葉だけ聞くとにわかには信じがたいが、その証拠動画も出回っている。それには歪んだ笑顔のカボチャを被ったトリックちゃんが人を丸呑みにする光景が映っていた。...そして、残された人を見て嗤う姿も。



「...トリックちゃん...。」

「あや...きっと何かあったんじゃないかな...?」

「そう、かなぁ...?......そうだよね。トリックちゃんはこんなことしないよね...?」



口ではそう言うものの、今は不安の方が上回っている。トリックちゃんは人型ではあるが、一応魔物の区分に入っている。もし本能とかそういうものが抑えられないのであればそれはもうどうしようもないものだと思う...。



「...明日はハロウィンだけどその時に何かが起きそうな予感がする。」

「まぁ...イベント専用の魔物だしありそうよねぇ...。」

「トリックちゃん...。妹のような子でしたのに...。」

「お嬢様...。私がお嬢様の妹になります!」

「それはどういうプレイなノ...?」


「...我を忘れ、自分の目的すらを見失い、ただただ本能で動く者...。昔の私と一緒だね〜...。」




────────

──────



「ハッピーハロウィン!トリックオアトリート!彩音たんにお菓子あげちゃうっ!!」

「ハッピーハロウィン!ありがとう美月ちゃん!...ん?なんでトリックオアトリートって言った方がお菓子あげてるの?」

「え?逆になんで彩音たんにあげないの?」

「え、えぇ...?」



頭が混乱してくる。ゲーム内でもみんながみんな私にトリックオアトリートって言ってお菓子をくれたんだけどおかしかったのはゲーム内だけじゃなくて現実世界でもだったのか...。んー...?私がおかしいのかな...?それはともかく...




「はいこれ。」

「え...?」

「私もお菓子あげる!...私料理はするけどお菓子とかは作れないから買った物だから要らな───」

「ありがとう彩音たぁぁぁんっ!家宝にしますぅぅぅ...!!」

「食べて?」




今日は10月31日、ハロウィンの日。みんながみんな浮かれているため授業も騒がしいものとなった。



「ハッピーハロウィン!トリックオアトリートあや!」

「ハッピーハロウィン!おはようすず。」

「うん。おはよう。はいこれ!」

「ん。ありがとすず!私もこれ買ったやつだけど...。」

「ありがとあや!家───」

「食べてね?」



すずからもお菓子を貰えた。嬉しい...。それはそうとなんでクラスのみんなは私のお菓子を家宝にしたがるのか...。市販で買った物なんだけどなぁ...。もしかしたらその市販のお菓子が私が知らないだけですごく有名で人気な物だとか...?...ありそう。




今日もいつも通り...とはいかないまでも普段と変わらない学校生活を過ごし、ゲームにログインする。なんだかちょっと嫌な予感がするんだよね。...トリックちゃん関係で。




─────────

───────



234.名無しの情報屋

【速報】Trick or Trickにより魔大陸の魔国のセベティーラが陥落

【速報】Trick or Trickにより魔大陸の魔国のセベティーラが陥落

【速報】Trick or Trickにより魔大陸の魔国のセベティーラが陥落


─────



635.名無しの情報屋

【速報】Trick or Trickにより魔大陸の魔国の魔都マジュリンドが陥落寸前

【速報】Trick or Trickにより魔大陸の魔国の魔都マジュリンドが陥落寸前

【速報】Trick or Trickにより魔大陸の魔国の魔都マジュリンドが陥落寸前



─────────

──────



街が騒然としている。主にプレイヤー達によって。曰く、トリックちゃんによって魔国のセベティーラが陥落し、魔都マジュリンドも陥落寸前らしい。トリックちゃん...。どうして...?



これはやばいと思った私は1人で魔大陸に飛んでいくことにした。今日すずは遅れると言っていたから申し訳ないけど待っていられない。さすがに魔国の重要な都市であるマジュリンドが落とされてしまったら世界中の国がトリックちゃんを...もう既に危険な魔物として手配されているかもしれない...。



空島は私が飛ぶよりも遅い。まぁ正確に言うとスカーレットが飛ぶよりもだね。私は飛ぶのにまだ慣れてないから...。



『だから頼んでいい?』

『...ん。分かった。』




意識を切り替えて、私は深層へと潜り込む。




『頑張ってね...。』

『任せて。』




まるでリレーのようにバトンタッチしてスカーレット()は飛んで行った。




エスカレートしてきましたねぇ...。...エスカレートどころじゃない気もしますが。

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