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第461話 暴食(?)





「やっと...終わったの......?」



結局私は数日をかけてお菓子を受け取り、褒められ続けた。身体的な苦痛は特になかったが、自分だけ置いてけぼりなのと、褒め殺しのような数日なのもあって精神的な苦痛というか疲労は凄まじいものだった。


というかあの広間にいたプレイヤー達が全てじゃなくて、なんと領主館の外にまで行列ができていたのだとか。なんならプレイヤーだけという訳でもなく、なぜかトエラールの街の人達もその行列に並んでいたらしい。...当然のごとくお菓子を持参して。



そして気になる最終的に集まったお菓子の数は...



「...今なんて?」

「だから229万6397個よ。」

「にひゃくにじゅうきゅう...まん??」



驚異の200万超。第1回イベントの時に殆どの日本人プレイヤーが集まったが、それでも10万人ちょっとだった。...20倍...?確かに3、40個のお菓子をくれた人達がたくさんいたが、一つだけくれた人達もたくさんいた。というか3、40個のお菓子を持ってくる人達が異常であって、1つだけ持ってきた人達は正常なのだ。いやまぁお菓子をあげて喜ぶのも異常かもしれないけど...。




「ぇ...な、何このお菓子の数...。」

「あ、トリックちゃんいらっしゃい。」

「ぁ、はぃ...じゃなくてですね...?」

「あやの人気って凄いわよね〜。」

「?」



大量のお菓子の山があるこの部屋にぽふんっと現れたトリックちゃんがなんとも言えない顔をしている。私の人気ってなんだろう?テレビでたまに見るアイドルみたいなやつ?でもアイドル活動なんてした事ないしなぁ...。

というか私に贈られたお菓子なのにトリックちゃんの強化のために使っちゃってもいいのかなぁ...?贈った人に申し訳ないよ...。



「あ、その点は大丈夫よ。」

「え?なんで?」

「だってそこにある200万個のお菓子全てに媚薬仕込んであるから。」

「は?」



媚薬ってあれだよね?すずがいつも小声で私に盛りたいとか言ってるえっちなやつだよね?なんで?皆私に恨みでもあるの...?私何かしたっけ...。



「...本当はあやに食べさせて...したいけど...。トリックちゃんの為だしね。」

「...私に食べさせたいって聞こえたけど?」

「...トリックちゃんの為だしね。」

「私に食べさせたいって」

「トリックちゃんの為だしね!」

「...はぁ。トリックちゃんは大丈夫なの?」

「ぇ...ゎ、ゎたしは毒とか...効かないから...。」

「そ、そっか...。」



いやそうじゃないよ...。普通は毒...というか媚薬だけどそれが入った物を食べようとは思わないでしょ...。あれ?私が異常なの?



「ほ、本当にわたしが貰っても...いいの?」

「えぇ。あやもいいでしょ?」

「うん。トリックちゃんが良いなら。私はただ受け取っただけだしね。」


「ぁ、ぁりがとぅ...!」



トリックちゃんは顔を歪ませて泣きながらお菓子の山へ向かった。そして...



───ビギビギビギッッ!!



「「...ぇ...?」」



───バグンッッ!!




トリックちゃんの服のお腹の部分が裂けてそこから顕になったのは無数の牙が生えた巨大な口だった。...そういえばトリックちゃんって人を食べてたっけ...。



可愛い少女がお腹の口を使って、1口で数百個ぐらいのお菓子を物理的にお腹に入れていく。



「おいひぃ...。」


「「...。」」


「...凄い食べっぷりね。」

「そこなの...?」




とはいえ、あっという間に無くなっていくお菓子達を見て私はすずと同じ感想を心の中に抱いたのであった。



カボチャの頭がある時はカボチャの口が巨大化して人を食べます。

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