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第453話 成長




「ミツルさんは...いないみたいだね。」

「侵入者の対応してたりしてね。」

「えー多分修行してるだけだと思うんだけど...。」




ミツルさんは私が会いに行く度に裸で滝行をしていた。毎度の如く恥ずかしさでこっちが死にそうになってくるのだが、そんな事よりもミツルさんとの戦闘が楽しいのだ。剣豪なので剣の扱いが超一流。楽しくないわけがないのだ。


っと話がズレたけど、ミツルさんは多分今も滝行をしていると思う。空島に侵入者が来る状況ってあんまりないと思うからね。



───キュィィンッ...


「...ふぅ。」

「あ、ミツルさん?」



そんな事を考えていると、部屋の中に魔法陣が現れ、そこからミツルさんが出てきた。



「あれ?いつも入口から入ってくるのに、今日はそこからなんだね。」

「...あぁ。ちょっとね。」

「...?」




ミツルさんの様子が少しおかしい。でも今聞いても話してくれなさそう。ここは...



「...ミツルさん。」

「ん?」

「戦いましょう!」

「...ふっ...マイマスターらしいや。分かった。外で待ってる。」

「うん。」



「じゃあ私は魔法の研究でもしようかな。そろそろ手をつけないとだし。」

「わ、私は...アヤネ達の戦闘を見学してます!」

「危ないですので私もご一緒致します。」


「アイリス〜!あーそーぼっ!」

「え、その...今は...いいかな。」

「えっ...?......分かった...。」



「...。」



ミツルさんもだけど、アイリスとメルの関係も気になる。ちょっと険悪な雰囲気だけど元通りになるといいな...。



───────────

───────



「待ってたよ。」

「お待たせしました。」

「じゃあやろっか。」

「うん。」




私は暇な時に作った木刀を、ミツルさんは木剣を構え、相対する。互いに攻撃力は低いがそれでも相手を殺せるぐらいにはある。


「手加減は無しですよ?」

「私に手加減という言葉は合わないよ。」

「そうでしたね。」



───カァァンッ!!ガガガガガガガッッ!!!!




「ふっ...!剣との戦いは慣れたか?」

「はっ!まだまだだけどね!」



───ズガガガガッガガガッッッ!!!



今回もスキルを使わない、純粋な技術のみの戦いだ。ちょっとしたフェイントもかけつつ、フェイントにフェイントを重ねたりしてフェイントのフェイントにも対応していく。...フェイントがゲシュタルト崩壊しそう。



───ガガガッ!!ヒュヒュッガガンッッ!!




木刀と木剣をぶつけた反動でお互いに距離を取る。これで仕切り直しかな。...と思いきや...



「...私の本気。受け止めてみよ。」

「っ!」




そういうや否やミツルさんは木剣を上段に構えた。そして...



───ガ゛ン゛ッ゛ッ゛!!!!



「はぁッッッ!!!!」

「ぐゥッ!!?」




ほぼとかではなく、本当に同時に全方向から無数の攻撃が来る。初めて会った時に使われた技だが、その時よりも精度が上がっている。前はほぼ同時だったものの、その軌道は捉えられるほどのものだった。

一つ一つ丁寧に捌くこともできず、こちらも力技で、速さでそれを受け止める。初見だったというのは言い訳だが、これにも冷静に対応できるようにしないとね...。



「くっ...これでも受け止めるか...。」

「私だって成長してるんですからね。」



呆然としているアリスとアンナさんと目が合ったので手を振りながら気持ちを切り替える。今度はこっちからだよね。




「...私のも受けてください!」

「...受けて立とう。」



───ユラ...



白い軌道を描きながらミツルさんを滅多切りにする。当然全て防がれるが、それが本命ではない。



「っ!?」



空中に漂う白い軌道はミツルさんを囲んでいる。そして...



───ズバンッ!!!



それが収縮し、今度こそミツルさんを滅多切りにした。なんとか斬り払えたミツルさんであったが、身体中に刃物による生傷がついていた。



「...それはもはやスキルと同じレベルじゃないか...。」

「元々スキルでしたけど普通に使えるようになりました。」

「ははっ...流石だな。」




この後もしばらく戦闘を楽しんだ。



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