番外編 最近時間無いからとかいう理由で番外編書いてないんだからね!///①
唐突な番外編。私でも見逃しちゃったね。
──ミツルside
───ザァァァアアアアアアア...!!!
「...。」
体全体に打ち付けられる水が私の心を洗ってくれる。最近は毎日こうして雑念を払うように滝行をしている。試練の外套に囚われた魂として現世で彷徨っていた頃は雑念を持つなんてことは無かったはずだったんだけどなぁ...。
骨だけだった体は今は前世と全く同じ姿に戻っている。島の警護を強制されることやアヤネちゃん...マイマスターにたまに勝負を望まれること以外はとても感謝している。色んなことができるようになったおかげか前世の生活と今の生活を比べてしまうことも多い。それゆえに雑念も多くなってしまうのだ。
「...む。」
実はここの所この空島には侵入者が多かったりする。まるでストーカーのようにこの島...というよりマイマスターに付き纏う輩がいるのだ。
───ザバァッ...!
その場から飛び上がり体を拭き、素早く服を着て侵入者の反応があった場所へと向かう。この島の守護者になったおかげか、私は島全体の空間把握ができるようになっている。これで侵入者の対応が迅速にできる。
「...またお前かモネ。」
「っ!?...またって何よミツル。いい加減アヤネちゃんに会わせてよー!!遠くからでもいいから!!」
目の前でコソコソ歩いているのは度々この島に侵入してくる少女...モネだ。侵入する理由を問うと『アヤネちゃんを1度でも見たい!』との事。それだけで遥か天空にある空島に来れるよう、飛行装置をも造ってしまった天才少女だ。先程侵入者が多かったりすると言ったが、全てコイツだ。
「...そうは言っても私は侵入者から空島を...マスターを守るという仕事を請け負っているからな...。お前を殺さなければならない。」
「くっ...私のスピードについてこれるかしら!?」
────ドギュゥゥゥゥゥゥンッッッ!!!
えんじんというものを急稼働させて超高速で飛行するモネ。だがしかし、私はアヤネにいつも扱かれている。あれよりもスピードの早い斬撃や移動にも慣れている。
「はぁッ!」
────ズバンッ!!!
「へ?...きゃぁぁああああ!?!?!!?」
一瞬でモネに追いつき、背中に背負っている飛行装置ぶった斬る。モネはぷれいやーと呼ばれる者(マイマスターから聞いた)であり、死んでも生き返る厄介な生物だ。だから毎回毎回私がモネを殺しても毎度の如く彼女はやって来る。そのため、私は装備を破壊してから殺すことにしている。流石に装備は元通りにはならないらしいからね。...まぁこれは時間稼ぎにしかならないけど。
「...。」
地面に落ちていくモネを無言で見守りながら私は前世の事を思い出す。彼女は...モネは似ている。背丈もメガネを掛けているところも機械に詳しいところも1度決めたことを曲げない真っ直ぐなところも纏う雰囲気も全部、私の幼馴染と似ている。
「...はぁ。」
気が変わった。...今回は...今回だけは彼女を助けてあげよう。そう思い、今にも地面に衝突しようとしているモネの元に向かい、受け止める。
「ぁあぁぁぁあ───!!...えっ...?」
「...もう来ないでくれ。」
「......な、なんでミツルにそう言われなきゃいけないのよ!」
「...下界まで送る。」
そう言って私はモネを横抱きにしながら空島から飛び降りた。
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「うっ...ひっぐっ...ごわがっだよぉぉおお...!!」
「......すまない。だが、これに懲りたらもう来ないことだな。」
「う、ゔるざい!!私は絶対アヤネぢゃんに会うんだがら!!」
その叫びを聞きつつ私はその場から立ち去り、自害した。...私もぷれいやーと呼ばれる者たちと同じように死んでも空島で生き返られるようになったのだ。
「...ナナミ。私は...。」
①ということは...。




