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第447話 SAN値チェック




───涼香side



───可愛いな、あぁ可愛いな、可愛いな、可愛すぎて、襲いたくなる。By涼香───



今まさに私は据え膳を目の前に置かれている状態にある。今日は朝からあやの様子がおかしかった。まるでお酒を飲んだ時のように酔っ払っていたのだ。あやは未成年でお酒なんて飲めないし、飲もうともしないだろう。そして何より、昨日は一緒に寝てた(抱き枕にした)から拘束から抜け出してお酒なんて飲めないはずだ。





それなのに...。




「うゅ...?すず...どぉしたの?はやくねよ?」

「ゔぇっ!?あ、はい...。」



ベッドの上で顔を赤くしたあやが半目で猫のように寝転がっている。なんならベッドに入らない私に痺れを切らして、起き上がって私に抱きついてきた。顔を私の胸に挟んで上目遣いで見てくるあやの姿はそれはそれは...眼福です。だから...



「...そうね...。寝る前にいつもやってることしようか。」

「ん〜?」

「忘れちゃった?...ほら、ここにキスよ。」

「きしゅ?」

「えぇ...。」



鼻血が出そうになりながらもあくまで当たり前といった感じを装って言う。騙すようであやには申し訳ないが、無防備な姿を今日1日クラスメイトに見せつけたのだから...自業自得だよね。



「ん。わかった。んちゅっ...」

「んっ...。」



「...ぷはっ...。すず...もっと...。」

「こ、これは...破壊力がやば...ごはっ!」

「...すず...?なんでたおれちゃったの?そんなところで寝ちゃったらかぜひくよ?...んしょっ...んしょっ...。」




これは夢か。



翌日。



夢じゃなかった。



───────────

─────────



──彩音side



「...おはようお父さん、すず。」

「...おはよう。」

「...おはようあや。」





地獄のような雰囲気の中、朝が始まった。昨日のことが記憶にない...という都合のいいことはなく、私は全てを覚えていた。...覚えてしまっていた。昨日の夜の...深ーい...キスも...覚えていた。



「「はぁ...。」」


「...何があったとは聞かないが...注意はしたはずだよな。」

「...すみません刀夜さん...。」



学校でも醜態を晒してしまったので、私今日学校行きたくない...。でも休むのは良くないから行かないと...でも...でも...。


あ、逆にすずに甘えれば周りの視界なんて気にしなくてもいいのでは...?よし、今日はそれでいこう!



「あ、あや?なんでそんなに気合い入ってるの...?」




今日も涼香はSAN値を削られることが確定した瞬間だった。



─────────

──────


──スズカside



「...なんだか、すっごい疲れたわ...。」

「スズカさん...お疲れ様です。今日は何かあったんですか?」

「...それがね〜...。」




今日あったことを思い出す。もう酔いから覚めていたあやは朝から顔を赤くして食卓についていた。そこまではよかったのだ。恥ずかしがっている姿はとても可愛いからね。



だけど、学校に着いてからが問題だったのだ。いや、問題じゃなくて寧ろ最高だったんだけれども...。なんとあやが私に甘えてきたのだ。それだけでも普段とは違うギャップを見せつけられて逆にこっちが恥ずかしかったのに、他のクラスメイトがあろう事か私のことを「顔を赤くして恥ずかしがってて可愛い」と言ってきたのだ。小、中学校では言われ慣れていたけれど、高校に入ってからはあやの可愛さに磨きがかかって私はあまり言われていなかったのだ。



「...今日は色んなことが新鮮だったわ。」

「そうでしたか。」

「...なによ。なんでアリスまでアイツらと同じ顔をしている訳?」

「いえ、ただ微笑ましいなと。」

「くっ...!相談した私が馬鹿だったわ...!!」

「顔赤いですよ。」

「...うるさいわ!」




私はその場から立ち去った。




涼香さんは可愛いというよりは美しいといった感じ。他のクラスメイトは涼香さんのことを美しいと思っていても口に出さず、陰で色々言う感じです。



「ねぇねぇ今日の涼香さん可愛かったねぇ!」

「そうだね!いつもは彩音ちゃんに抱きついてて母性を感じるけれど、今日は互いに慰め合う小動物...姉妹...みたいで可愛かったわ!」



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