第440話 実質初夜
「...すず嫌い。」
「そんな殺生なっ...!!」
「「「「「え、えぇぇぇええ!!!?!?」」」」」
「...と言う割には相も変わらず膝の上で授業受けてるがな。」
「...うるさいです先生。」
「おっとすまんかったな。」
私は今すずに対してすごく、すごーく怒っているのだ。それこそ今日1日は話をしたくないほどに。それはなぜか...時は昨日すずが私の家に泊まった時まで遡る。
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「あ、あや...!」
「なぁに?」
「これ、すっごく美味しいわ...!」
「そう?良かった!」
「...。」
「お父さんも美味しい?」
「...あぁ。」
「ふふっそっか...!」
私の作った料理で私の好きな人達が喜んでくれる。これ程幸せなことはないだろう。この後はすずに先にお風呂に入ってもらって、私はお皿洗いをする。あ、でもすず大丈夫かなぁ...?
「さすがに大丈夫よ!任せなさい!」
「そう?じゃあ私お皿洗ってくるね。」
「えぇ!」
と言ったのが3分前。
「...あの...あや、さん。」
「っ!...な、なに...?」
頬を赤く染めて恥ずかしそうに、おずおずと話しかけてきたすず。どうやらお湯の出し方が分からないらしい。まぁうちのお風呂は昔私が魔改造したせいでちょっと特殊だからね...。しょうがないよね。...それはそうとしてすずが可愛い。
「じゃあ一緒に入る?」
「ふぇ...?」
「他にも色々と違うところがあったりするからさ。」
「そ、そう...?な、ならお願い...します...?」
「なんで敬語...?」
「うっ...(あやの裸あやの裸あやの裸あやの裸あやの裸あやの裸あやの裸──────)」
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「...デスヨネー。」
「なにが?」
私は服の袖とズボンの裾を捲り、すずにいろいろと説明している。ついでだからすずの髪も洗ってあげる。
「痒いところはありますか〜?」
「...痒くはないけど...すごくムズ痒いわ...。」
「?」
「というかあやも一緒に入りましょう?」
「えっ!?い、いやぁ...その...恥ずかしくて。」
「むぅ...そんなこと言うなら私だってそうよ...!私だけ裸だなんて...。」
「わ、分かったから!」
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「...うぅ...。」
「ほぅ...?(恥ずかしがるあやが可愛くて草www...あ、鼻血出そう...)」
その後は当然のようにすずに体を洗われて一緒にお風呂に入った。...すずの膝の上で。くっ...そんなに私を抱っこしたいのか...!
そして問題が起きたのはこの後だった。
「...そろそろ寝る?」
「ん。そうだね。お父さんもう寝るね。」
「...あぁ。おやすみ。」
「おやすみ〜!」
「...それと」
「?」
「...やりすぎは良くないからな。」
「...?うん!」
「...お見通しってわけね。」
恐らくゲームのことだろう。とお父さんの視線がすずに向いていたことには気づかなかった。
「それじゃ電気消すね。」
「うん。」
「おやすみ〜。」
「おやすみあや。」
同じベッドで同じ毛布に包まる私たち。すずに抱きつかれながら私はすずの温もりを感じていた。
「ねぇあや...。」
「なぁに...?」
「ゲーム内でのこと覚えてる?」
「ゲーム...?」
───ふにょん...!
「ひゃっ!?え?え?な、なに急に!?」
「今ここで続きやっても...いい?」
「っ!?!?」
続き...続き...?
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『ぁ...ん......ぅ...。』
『今度は現実世界でね?♡』
『ぅ...。』
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揉まれた時の記憶がフィードバックする。まさか...この続きってことじゃないよね...?
「うにゃぁっ!?ひゃ、ひゃめっ!」
「ほらほら...気持ちぃ?でも声抑えないと刀夜さんにバレちゃうわよ?♡」
「ふっ...くぅっ...ん...!」
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だから今日は口をきかないことにしたのだ。これは戒めである!...許可してないのに...。はぁ...。
実質初夜。




