第438話 世界を震撼させる鼓動
────ドクン...ドクン......
「もう少しでできますね。」
「そうねぇ...。前にあやが創ってた天魔石は小さかったけど、綺麗だったからね。今創ってるやつは...何倍の大きさなのかしら...?」
「うーん...体積は100000倍ぐらいあるんじゃないかな...?」
金も石炭も在庫全てを使う勢いで混ぜてしまった。それはウィンズさんが造った、ギリギリ人1人乗れる天魔石よりも遥かに大きく、それの3倍はある天魔石になってしまっている。それこそ私たちの空島にある天魔石と同じか、それ以上に...。本当にできた時の爆発が心配である。...念の為離れた方がいいかな?
───ドクン..ドクン..ドクン..!
「安心してちょうだい。氷獄の魔晶石以外にも強固にする素材をふんだんに使ったから大丈夫よ。...それこそスカーレットの天力無しの全力パンチでもビクともしない...とまではいかないだろうけど、原型は残るぐらい硬いから。」
「そ、そうなんですか....。」
──ドクンドクンドクンドクンドクンッ!!
イマイチよく分からないが、硬いということを伝えたかったのは分かった。...それはそうとして私たちは少しだけ離れるけれどね。別に疑っている訳じゃないけど、心配は心配だか───
───カッッッ──────!!!!!!!
───ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!!
「うわぁぁぁ!?」
「ちょっ!?こ、こんなに強い爆発なの!?」
「ひゃぁぁ!アンナぁぁ!!」
「お、お嬢様私の傍にッ!!!」
「な、中々の衝撃ね...だけど、その程度なら受け止められるわ!」
実際に経験したことはないがマグニチュード10はあるんじゃないかという揺れにまともに立っていられないため、私たちは地面に座って天魔石の様子を見守っていた。この様子だとロウアー大陸の方にも津波やらの余波が行ってそうだ...。罪悪感が凄い。...そしてアイレーンさんの言った通り、装置には傷1つなく、天魔石を創る前と同じ形を保ったままそこに鎮座している。
───ピカァァァァァ...!
「凄いわねぇ...。」
「そうですね...。」
水色がかった虹色の光が散乱している。神秘的だなと思いつつも、ある一つの悩みができてしまった。
「...これどうしよ。」
と、この天魔石をどうするかを考えていると...
───ブワッ...!
空を包んでいた氷霧を突き抜けてきたのはなんと空島。それはどこか見覚えのある形をしていた。
「私たちの空島じゃん!!」
「ハルカちゃんが動かしたのかしら...?」
「あの空島は雪を通して見たけれど、やっぱり実物は凄いわね...。私の城も浮かせられないかしら...。」
何やらブツブツ呟いているアイレーンさん。考え事をしているみたいだからそっとしておくことにする。それよりも、なんで私たちの空島がタイミング良くここに来たのかが気になる。
「みんな、ちょっと行ってくるね。」
「...分かったわ。...一緒に行けないのは残念だけどね。」
「...ごめんね。」
「ううん。気をつけてね!」
「うん!」
とその時だった。
《──蒼の天魔遺跡 を吸収します──》
突如、造った天魔石から機械の音声が流れ出したのだ。音声が止むと私たちの空島がどんどん地上に近づいてきた。...この天魔石に吸い込まれるように。
「ハルカちゃんが危ない...!」
考えるまでもなく私は飛び上がった。もしあの空島が本当に天魔石に吸い込まれるのであれば空島にいるハルカちゃんも吸い込まれてしまう。空島はゆったりとしたスピードではあるが、確実に吸い込まれていっている。その前にハルカちゃんを連れ出さないと...!
「ハルカちゃんっ!!」
「...マスター。」
「ハルカちゃん逃げ───!?」
「無理です。」
「えっ...?ど、どうして...」
「私はここの管理代理者です。この空島から離れることを許されていません。」
「そんな...!そ、そうしたらハルカちゃんは...!」
「マスター。私は大丈夫です。短い時間ではありましたが、マスター達との交流はとても楽しかったです。」
「ハルカちゃん...。そんなの...そんなの許せない...!」
無表情で、淡々と語るハルカちゃん。私は堪らず飛び上がる。そして向かう先は...
「...あの天魔石を、壊す。」
実は怖い天魔石さん。まぁシリアスな話なんてこの小説にはありませんけどね。(多分)




