第426話 vs.フロストサーペント
「すごいリアル...いやどうせ動くんだからリアルなのも当たり前か...。」
目の前でこちらを見下ろす形で立っている蛇の氷像。近づけば十中八九動き出すことだろう。...だからその前に鑑定をしておこうかな。
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【名前】フロストサーペント《BOSS》LV.800 状態:封印
【弱点】???
【苦手属性】???
【説明】身体を構成する全ての要素が炎属性でも溶けない氷で創られており、当然ながらその体は硬い。圧倒的な速さと魔法の強さで即死してしまう冒険者も多い。普段は氷像のようにピクリとも動かず、近づくと近づいた者を徹底的に潰すために動き出す。
HP:??????/??????
MP:??????
STR:??????
VIT:??????
DEF:??????
AGI:??????
INT:??????
DEX:??????
MND:??????
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「うっわぁ...。」
全ステータス6桁...。どうやって勝てと...。でも勝たないといけない。だってもう結界から外には出られないから。
「首を斬れば一撃でなんとかならないかなぁ...。せいッ!」
───ズバッッ!!
一足で跳躍し、未だに見下ろしたまま動かないサーペントの首目掛けて刀を一閃する。が、当然斬れることはなく、傷がちょっと付いたぐらいだった。
「...んー。」
パッと見積もった結果、あと63回同じ場所を斬り続ければ倒せる。だけどそれは表面を一回斬ったことによる判断で中がどうなっているのかは分からない。もしかしたら外皮よりも硬くなっているかもしれないしね。それに説明欄には書いてなかったけど、自己再生とかがあったりしたらもっと回数を重ねないといけなくなる。さらに言ってしまえば同じ箇所を63回も斬り続けるのは結構至難の技。できなくはないけど相手の動く速さにもよるよね。
───ゴゴゴゴ...
と、そんな事を考えているとようやくといった感じでサーペントが動き出した。
「ゴァァアアアッッッ!!!!!」
───状態異常:恐慌(中)───
「っ...!?」
叫び声で動けなくなるのか...。前にもこういう敵と戦ったけど一歩間違えたら無防備なまま攻撃を受けることになる...。しかも今回はレベルの差が酷い。これはまずいなぁ...。
「シュルルルルル...ラァァア!!!」
───ズガガガガガガガガガガガッッ!!!
ゆっくりと身体をうねらせたと思ったら急に全身をバネのようにして暴れだした。私は数度のバックステップでサーペントから離れることでその攻撃?を回避した。ただ暴れただけでこれだから接近戦はキツイなぁ...。
「シュルルル...《ララララララ》!!」
「っ...。」
───ヒュゥゥゥ...ズガァァアアンッ!!ガァァァンッッ!!
突如、十階建てぐらい高さがある天井に巨大な青い魔法陣が展開され、そこからランダムに直径3mはあるような氷の円柱が降ってきた。これも恐らく溶けない氷なのだろう。
完全にランダムだったからか私のいるところには降ってこなかった。だけど、相手の姿が隠れるほど氷柱で埋め尽くされている。これは魔法を使って自分に有利な地形にしたってことだよね...?
「...。」
『 『 シュルルル...!! 』 』
どこからともなく聞こえてくるサーペントの声。氷柱にぶつかっては反射し続けるその声の発生源は分からない。
「...使おう。《焔龍王の力》」
火属性、炎属性で溶けない氷?それならば上位属性である焔属性で溶かせばいい話。それでも溶かせないのであればさらに上位の煌属性で溶かせばいい。
───グォォオオオオオオオオオッッッ!!!!!
───シュゥゥゥゥ...!!
周りにあった氷が溶けていく。それは氷柱も例外ではない。
『 『 シュララララ...! 』 』
いざ、勝負。
結果は言わずもがな...。




