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第412話 実験




「...さて。それそろ真面目な話をしましょう。」

「...だったら角に触れてるその手を離してくれませんか?」

「おっと。」



ようやく角から手を離してくれたが、依然としてそのお胸からは抜け出せない。はぁ...こんなところすずに見られたら絶対怒られるよ...。



「それで?アヤネ達が求めてる魔物の件なんだけど、私が手伝ってもいい訳でしょ?」

「えっと...まぁそうですね?というか会った時から思ってたんですけど、なんで知ってるんですか?」

「ふふっ。貴女達がこの大陸に来た時から知ってるわよ?雪を通して見たり、聞いたりすることができるから。...だから貴女達があの空島でやって来たことも知ってるわ。」

「...。」



それってこの大陸に来てからのことが全部見られていたっていうことだよね...?...な、なんか恥ずかしいことしてないかな。



「大丈夫よ。寝顔しか見てないから。可愛かったわぁ...。」

「っ...。」



やっぱり見られていた。1番無防備なところを...。現実じゃなくてゲームの世界だけれども、姿は現実のものとほとんど同じだから恥ずかしい。



「それで、天魔石だったかしら?」

「そうですね。」

「ここで造れないの?」

「んー...材料はあるので、ずっと一定の温度で冷やしながら天力を注げるような環境があればできますけど...。」

「じゃあその環境を作ってあげればいいのね?」

「え?えぇ...そうなります、ね?」



そんな簡単に言うから困惑しちゃった。...あ、でも今の私力があんまり入らないからなぁ...。



『天力を纏えば同じ力は出せる。』

『天力が万能すぎる。』




「よし。そうと決まれば作りましょうか。場所は...庭でいいかしら?」

「あ、はい。」

「じゃあ行きましょう。」

「...下ろしてはくれないみたいですね。」

「ふふっ。」



お姫様抱っこをされた状態で私たちは大きな庭までやって来た。途中、会話がないのが気まずくてヒョウさんのことを聞いたら今はどこかの街で諜報しているらしい。雪が届かない屋内とかに入り込んでとかやってるのかな?それとヒョウさんと結婚した理由とか聞いてみたらその場で下ろされて擽られた。解せない。




「ふむ...。一応できたけれど、試運転してみないと分からないわね。」

「ほ、本当に一瞬で...。それに全部氷...?」

「そうね。まぁ箱作って、一定温度の冷気を出す溶けない氷を中に置いて、天力を注ぎ込めるところを作ってあげただけなんだけどね。」

「それで十分ですよ。」



すごく簡潔に纏めてくれたけど、すごいことをやっているのは聞いただけで分かるだろう。特に一定温度の冷気を出す溶けない氷。もはや氷の魔石の上位互換なんじゃないかなぁ...?前にネコさんから聞いた氷の魔石は触るとひんやりするらしいからね。冷えピタ並の温度らしい。



そんなことよりも、今は天魔石を作ってみないとね。



「まずは金と石炭を3:8で混ぜ合わせます。」

「ふーん?それで?」



ここに火なんてないので口から火を吐いて金を溶かし、そこに砕いた石炭を加えた。実験なので金と石炭の分量は少なめだ。



「型があればいいんですけどないので───」

「これでいい?」



私が言い切る前に立方体の型を氷で作ってくれた。仕事が早い...。



「そして、あとは冷やしながら天力を纏わせて5時間ぐらいですね。」



さすがに天力を入れたら自動で排出してくれるという機能はないので5時間ぐらいここでひたすら天力を注がないといけない。暇になるなぁ...。



「あ、アヤネ!」

「ん?...アリス?」

「良かったぁ...起きた時、隣にいなかったので何かあったのかと...。」

「あはは。ごめんね?」

「いえ!...それよりも今は何をしてるんですか?」

「今は天魔石を造ってるんだよ。」

「天魔石って...ハルカさんが言っていたあの...?」

「うん。あと5時間ぐらいでできるんだけど、それまで暇なんだよね。話し相手になってくれないかなぁ?」

「もちろんですよ!」

「...私もいるんだけどねぇ?」

「「あ。」」




...集中切らさない程度に角を撫でられたのは自業自得なのだろうか。




角は性感帯。( ˘ω˘ )

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