第394話 スキル紹介終わりッ!
「「あぁあああ!!!!!」」
「キュイ?......キュウ...キュ!?」
指をさす私たちとそんな私たちを見る串をつけたダークパラボラティア。暫く見つめあった後、何かに気がついたような驚いた顔で後退りするダークパラボラティア。
「今度は逃がさないカラァァ!!!」
「あ、アイリス!?」
正直、私は今も地獄マツダケを食べられたことを根に持っているという訳では無い。ただ、また会えるとは思ってなかったから驚いただけなのだ。...まぁ、どうやらアイリスは違うみたいだけど...。
「マツダケの恨ミィィィ!!!」
「キュイキュイキュィィイ!!?!!?」
────ドゴォォオンン!!バゴォォオオオンン!!
遠くから爆音が鳴っている。その間にどうしてアイリスがあんなに怒っているのかをすず達に詳しい説明をする。
「な、なるほど...まさに因縁の相手という訳ね...。」
「アイリスがあんなに怒ってるの初めて見たかも〜...。」
「食べ物の恨みってすごいですね...。私も気をつけます...。」
「キュゥゥン......。」
「ふんすっ!」
ちょうど話が終わったところでやっと2人...1人と1頭が帰ってきた。涙目でとぼとぼ歩いてくるダークパラボラティアとその背中に堂々と、そしてどうだと言わんばかりの笑顔で乗っているアイリス。なんか可哀想だからもう止めてあげて...。
そういう思いで私が灰色の魔法陣を出すと、全速力で飛び込んでくるダークパラボラティア...名前考えないと...えーっと...ラテ、とか?
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──────
「次は...《地獄召喚:エレファリオス》」
目の前の地面に茶色の魔法陣が現れる。
───ぱぉおおおおおんんっっ!!
『んぉ?お!アヤネじゃねぇか!』
「え、えぇっとぉ...?」
『一緒に崖登った仲じゃねぇか。もう忘れちまったのかぁ?』
と言われてもみんな顔が同じだから判別がつかないしなぁ...。
『まぁいいぜ!これからは俺がアヤネを守ってやる!...まぁ俺より速く崖を登ったアヤネを守れるかどうかは分からんがな...。』
「ううん。よろしくね。えっと...」
『あぁ。名前はアヤネが決めてくれ!』
「わ、分かった...。」
エレファリオスだから...リオ?
『リオ、か...。いい名前じゃねぇか!ありがとな!...ところでアヤネ。』
「なに?」
『俺と一騎討ちし──』
「また今度ね!」
茶色の魔法陣を再び作動させて強制的にリオを戻す。一騎討ちなんてロッキングエレファリオスでお腹いっぱいだよ...。
「最後は《地獄召喚:ミニノワールドラゴン》」
───ぎゃぁああ!!!!
────ズウゥウンッッ!
真っ黒な魔法陣から飛び出てきたのはノワールドラゴンを10分の1にしたミニドラゴンだった。まぁノワールドラゴンとは違って、こちらには大きな翼が生えてるけどね。
「ギャウ!ギャァア!」
ノワールドラゴン戦の時にもたくさん見たが、やっぱりこの子もヘルウルフと同じくつぶらな瞳をしている。本当に可愛い。
──バサッバサッ...!
「ちょ!いたっ!?痛いよ〜!?」
「メル!?大丈夫!?」
「う、うん!なんか...甘噛み?されてるみたい〜?」
ノワールドラゴンと比べれば相当小さいが、一応龍の一種。私たちの何倍も大きい。そのため、メルの両肩に足を乗せて頭を甘噛み(やられている本人曰く)されている姿はもう捕食シーンにしか見えない。
「ギャウギャウ!!」
しばらくして、満足したのか自分から魔法陣の中に戻っていくミニノワールドラゴン...ノワは、言いにくいからノアかな。
どうなるかと思ってたら可愛い子達ばかりで良かったなぁ...。...1人は戦闘狂だけど。
...次のイベントも考えないとなぁ。




