第389話 呪われすぎぃ...
翌日。
私たちはできてから一度も使われずにいる鍛治屋へとやって来た。昨日はどうしたんだって...?...特に何もせず皆で仲良く話して終わったよ。
「昨日はチラッと見ただけだけど、あったら便利な細かい物もあって助かるなぁ...。」
「あやは今日、何か造るの?」
「そうだね。何か造ろっかな。最近倒したばかりのノワールドラゴンの素材とか使ってみたかったんだよね。あ、でも解体してないからまずは解体からかなぁ...。」
「うっ...解体するの?」
「流石にここから離れた見えないところで解体するよ?」
すずはこういうのが苦手だからねぇ...。あと、解体するものはたくさんあるから結構時間がかかると思う。できるだけ早く終わらせたいなぁ。
「うーん...と言ってもねぇ...。」
ノワールドラゴンはすごく大きい。他の魔物も大きいものばかりだ。1日で終わる量じゃなさそう。でも頑張るしかないよね...。
───────
────
「いやぁ...すごいなこの体は...。」
あれだけ大変そうだった解体が僅か1時間で終わってしまった。試練の外套から解放されて飛べるようになったから飛びながら解体できたし、自慢のSTRで体を持ち上げて解体もできた。あらゆる所で時短ができたのでこれほどまでに短時間で解体を終えることができた。
「っと...血だらけだ。帰る前に洗い落とさないと...。」
解体を終えたので帰ろうとしたが、服が血だらけになっていた。洗い落とさないと皆に驚かれちゃう。でもここら辺...どころかこの空島に川なんてない。
「外套で隠して戻る...?」
すずは水魔法も使えるはずだから、洗い流してもらおう。
──────
「ただいま。」
「あや。おかえり...ってなんで外套?」
「解体してたら服が血みどろになったからね。すずに水魔法で洗い流してもらおうって思って。」
「なるほど...。分かったわ。それで?その服は?」
「はいこれ。」
私はすずに言われるままインベントリからさっきまで着ていた服全てを出した。
「ちょっ!?あ、あや!?さ、さささらしっ!?」
「え?うん。流石に寒いから外套着てるけど...。」
「違う...そうじゃないのよ...!」
「?」
よく分からないけど、服を洗うのは任せたよすず。
「はぁ...また後で話しましょうか...《ウォーター・オペレーション》」
────ジャブジャブッ...!!
「あ、あれ...?落ち、ない...?」
「黒いままだね...。」
黒い血が染みている箇所が減ったどころかなんかさっきよりも広がってるような...?
「すず...水魔法でやったら広がったりしない...?」
「そんなはずは...だって血を水と混ぜてから一緒に取り出せば真っ白になるから...。」
「じゃあどうしてだろう...?とりあえず《鑑定》」
今、私ができるのは服の状態を見ることだけだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【名前】呪われた葉狼セット:品質9
【説明】ディーナが作った葉狼の素材を主とした装備。オウシャンカウの素材が使われており、見た目では想像つかないほどに涼しくなる。斬撃と水、風属性魔法に強い。そして、ノワールドラゴンの血を浴びたことで装備自体の涼し気な色は全て消え、真っ黒に染まってしまった。それにより装備の性能が上がったが、状態異常を受けた時に高確率で症状が悪化するようになる。
耐久:2600
VIT:270
DEF:395
AGI:130
MND:120
【製作者】ディーナ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「むやみに解体しなければ良かったかも...。」
「あは、は...ま、まぁその試練の外套みたいに縛られないよりは、ね...?」
すずもこの反応である。




