第38話 天を貫く試練の塔
「ふんっ!」
──ドゴッ!
『グギャッ!?』
「てい!!」
──バキッ!
『ギャァァス!』
「とりぁぁ!!」
──ドゴォォン!!
『『『ギャァァア!?』』』
緑じ...ミニゴブリンは次から次へと森から出てくる。それを私が焔鬼の紅金棒で吹っ飛ばす。
それにしても、この武器中々使い勝手が良いと思う。纏めて吹っ飛ばせるし、ストレス発散に良いかもしれないね。
ちなみにだけど、ミニゴブリンが人型に近いと行っても殺すのに抵抗はない。襲いかかってくる敵は全て殺す。慈悲はない。すずが襲いかかってきたら私死んじゃうけど(精神的に)。
「──《焔打》!」
──ボォウ...!
歪んだ紅の模様だったのが、血のように真っ赤に染まる。その上から飲み込むように炎が走る。
「まずはそのままっ!」
──バゴンッ!!
『ぎゃあああぁぁぁぁ......───!』
「......ほ、ホームラ〜ン...?」
いやいやいや!飛びすぎでしょうどう考えても!!あのミニゴブリン凄い燃えながら遥か遠くに飛んでったよ...。
私そんなに力無かった気がするけど...。って...
「あぁぁぁぁぁーーー!!!!!!」
『『『『『ギャッ!?』』』』』
気づいた...。いや、思い出した。
そういえば最近、ステータス見てないなって...。
一先ずここを切り抜けよう。
武器スキルのいい所って攻撃手段が複数あるというところだよね。
例えば《水刃》。これは刀に水を纏わせるスキル。攻撃手段はそのまま斬るか水の刃を飛ばすかのどっちか。
《降霊刀》。これに至っては無数にある。だって降霊する霊によって効果が変わるからね。いやぁ...スキルって面白いねぇ...!!
...まぁ、つまり何が言いたいのかって言うと《焔打》にもあるということ。
「はぁぁぁあ!!」
私は燃えながら真っ赤に染まっている紅金棒を地面に突き刺した。
──ビキビキ...ビキ...ビキビキビキ...。
突き刺した場所を中心に地面に紅いヒビが入っていく。
──ドゴォォォォォォン!!!!!
『ギャ──?』
一体のミニゴブリンが何か一言発する前にそれは途切れた。そして、私の視界は燃え盛る炎で赤色と橙色の2色で埋め尽くされていた。
「ぉぉ...。」
絶句。
辺り一面は真っ黒になっていた。それはもちろん燃えつきたせいでなのだが。
ミニゴブリンは愚か周りに群生していた草木なども纏めて灰になっていた。
「さ、さぁてステータスでも見ようかなぁ...。」
下手な口笛を吹きながらステータス画面を見る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【名前】アヤネLV.11→16
【種族】ヒューマン
【職業】鍛冶師LV.4→5
HP:980/1500→1750
MP:350/1000→1250
STR:30
VIT:10
DEF:10
AGI:18
INT:10
DEX:30
MND:10
【スキル】《鍛冶LV.6→7》《剣術LV.7→9》《身体強化LV.5→8》《採掘LV.5》《伐採LV.2》《木工LV.5》《鑑定LV.5》《錬金術LV.2→6》《錬金鍛治LV.3→6》
SP:25→50
【装備】葉狼セット、焔風斬丸、霊斬丸
【称号】『葉狼を撃破した者』
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なんで通知来なかったんだ...ろ...う...。...って
あぁぁぁぁぁぁあ!!
あの時通知の音がうるさく感じたから通知音消したんだった!!そりゃあ気づかない訳だ。まぁ別に気にしてた訳でも無かったけどね。
気を取り直して。
「塔に行きますかぁ!!」
彩音は周りにある黒の景色を全力でスルーしながら塔の方面に向かったのだった。
「.........私、鍛冶とかしか出来ないからその時になったらまた来るね。」
そう言い捨て去る彩音の言葉は風に吹かれて消えてしまった。
──────
───
「着い...たぁぁぁ!!」
森に囲まれ、ひっそりと佇む...めちゃくちゃデカい塔。全然ひっそりと佇んで無かった。
華美な装飾は一切なく、入口らしき門には1人の門番が立っていた。当然門はとてつもなく大きく、門番も大きい。
「す、すみません。」
「......。」
「ここに入りたいのですが...。」
「力.......示...。」
「え?」
「ここは試練の塔。入りたくば私に力を示すがいい。」
「えぇぇぇぇぇぇえ!?!?」
到着した場所は魔物が住んでいる塔ではなく試練の塔と呼ばれる場所。
てっきり廃墟なのかなって思ってたのに!
「か、《鑑定》!」
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【名前】試練の塔:ゲートキーパーLV.99
【弱点】???
【苦手属性】???
【説明】何万年も昔から存在する試練の塔の入口の守護者。試練の塔に挑戦する者達の力量を測り、合否を判定する。これまで殺したことは無い。
HP:???
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れ、れべるきゅうじゅうきゅう...。
あ、でも殺さないのか。実力を示すだけで別に取って食おうって訳じゃ無いのね。
じゃあ、頑張らないと。せっかくここまで来たしね!
覚悟を決め、霊斬丸を構える。ボス戦だからね。
ゲートキーパーさんはとても大柄で私の身長の3倍はある。そんな人が使う武器なんて...
「《召喚・ファーストウェポン》」
召喚されたのは2m程の大盾と大剣。
デカいよね!!




