第387話 Go To 空島
「そろそろ私たち空に帰るね!じゃあね皆!」
「急ね?何かあったの?」
「ちょっとやることできたので帰ることになったんだよね。」
「へぇ...。久しぶりに会えて良かったわ。元気でね2人とも。」
「うん!」
「え、えぇ...。」
「?」
私がふわふわとした気持ちになっていると、いつの間にか近づいてきていたソーラさんとルナリアさんが宇宙に帰ると言ってきた。2人ともそれぞれの国?ではトップの位にいる人だから忙しいのかも...?...でもルナリアさんの反応を見る限り何かありそう。
「《Bloom Star》」
そうしてあの時の別れと同じスキルを使って空に飛んで行った。
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「...行ったわね。」
「そうだね...。」
「そうですね...。」
「これからどうする?」
「私は一旦空島に帰らないとなって思ってるんだけど...。」
「そうねぇ...せっかくアリスに呪いを解いてもらったから飛んで行けるだろうしね。空島かぁ...私も気になるなぁ。」
はるか上空...試練の塔に隣接する形で浮かぶ私の空島。そこに目を向けながら呟くすずがチラチラと私を見ていた。普通なら無理だと答える場面だろう。だが...
「......行けなくはないかな...?」
「ほんと!?」
「だって私のSTR...力は凄いからね!でも流石に物理的に1人ずつしか運べないかなぁ...。それに持って飛べるかどうかは...。」
「あ、じゃあ私が土魔法で皆が乗れる土台を作れば運べる??」
「んー...どうだろ...?」
でもSTRが高いから持ち上げることは可能だと思うけど、そこから飛べるかどうかは不明なんだよね...。翼にSTRの恩恵があるのか分からないしね。でももし無かったとしても天力でなんとか...。
「さっそく作ってみるわ...《ソイル・オペレーション》」
そこにあった地面が波打つように蠢き、箱のような形を取る。そうしてできたのは気球に取り付けても遜色ないような箱だった。それにご丁寧に私用に取っ手もつけてあった。
「飛べるか分からないけどやってみないとね。」
そうしてどこかに遊びに行っていたアイリスとメルを呼んできて乗り込んでもらった。
「これで全員だね。それじゃあ...行く、よッ!!」
────ブワァッッッ!!!ヒュォオオオオ!!!
「「「「きゃぁぁぁぁぁ!?!!?!?」」」」
「わ〜!すご〜い!」
翼に力を入れて飛び上がると物凄い勢いで空に飛び上がった。翼にもちゃんとSTRの恩恵はあるみたいだね。...まぁそのせいで下にいる皆が暴風ですごいことになってるんだけど...。そしてメルは相変わらず楽しそう。
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「着いたよ!」
「すごい綺麗〜!」
「あ、鍛治屋できてるや。」
ココ最近ずっと下にいたからね。鍛治屋ができる時間もとうの昔に過ぎている。っと皆の様子は...
「あれ...?」
「「「「ぅぅ...。」」」」
「あ、いた。」
メル以外の4人が見当たらないと思ったらまだ箱の中にいた。...箱をちょっと揺らしすぎたかもしれない...。
「あやぁぁ...?」
「ひぃっ!?」
「分かってるよね?」
「...はい。」
分からないけど、とりあえずこう答えておいた方がいい気がした。
「じゃ、じゃあ私の代わりにこの島を管理してるハルカちゃんのところに行こうか。」
「...また女の子か。」
「すず?どうかした?」
「...なんでもない。」
なぜか不貞腐れるすず。そういえばハルカちゃんのこと言ってなかったような...?だって恥ずかしいじゃん...すずと似てるハルカちゃんを紹介するのは勇気がいるんだよ...。




