第380話 文化祭
今日は皆お待ちかねの文化祭だ。皆準備にすごい真面目に取りかかっててかっこよかった。...手伝わせてくれなかったのは、ちょっと...ほんのちょっとだけ悲しかったけどね。そのせいで私だけ何もしてない。
『そんな!ぉぉぉぉ恐れ多いですからッ!!』
『あ、彩音ちゃんのててて手に傷1つでも付けたらと思うとッ......!』
『?』
私が手伝わせてくれないかと問うとみんなして何かブツブツと独り言を呟いて逃げるように行ってしまうのだ。...私もしかして嫌われて...?風紀を乱すことばかりしてきたから当然なのかなぁ...?(涼香の膝に乗って授業を受けたことを言ってます)
そして現在は開店前の準備中だ。セカンダリア・オンラインのアバター姿に着替えた私は美月ちゃんにメイクしてもらってる。...だってやり方分からないもん。
「よし!メイク完了です!いやーナチュラルだと普段の可愛さがより引き立てられますなぁ!」
「んぅ?もう終わったの?」
「はい!完璧ですよ!可愛いです!!」
「あはは、ありがと...。」
照れを誤魔化すように椅子から立ち上がり、控え室から出る。控え室と言っても家庭科室の隅っこに仕切り等で作った簡易的な部屋だけどね。
───ガラガラ...
「「「「「「......。」」」」」」
「え...?」
ローラー付きの仕切りを横にスライドさせて外に出ると、先程までの歓談騒ぎが、なりを潜めて静かになった。その事に不安を感じ、すずの元に行く。
「これは襲ってもOK?」
「ダメに決まってるだろう。」
先生と言い争っていたすずが私を指さしながらそう言った。なんで襲うの...?先生も先生だよ。襲うって言ってるのにそんな軽くてもいいのかなぁ...?
「じゃあこれの許可を!!」
「じゃあじゃない!なんでコレか襲うかの2択しかないんだ!どっちもダメと言ってるだろう!?」
「むぅ...。」
すずが先程から先生と言い争っていたのは黒い...ハチマキ?の使用についてのことだった。それとなぜか縄も。別に私はいいと思うんだけど、何でだろう?黒いハチマキと縄で何するのか分からないけどね。
そんなこんなで準備が終わり、何事もなく開店を迎えた。
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「いらっしゃいませ。」
「うほぉえぇぇえ!!?!?めちゃリアル!?いつも見てるアヤネたんだぁぁ!!?」
...これで何度目だろうか。私が接客をするとなぜか皆これと似たような反応をする。そんなに驚くことだろうか?
「ご注文が決まりましたらまた及びつけくださいませ。」
「あ、あの!このセカンダLoveクレープください!!」
「......分かりました。」
このセカンダLoveクレープを頼むお客さんも何度目か分からない。恥ずかしいんだよねこれ...。だって『らぶらぶっ!ガオー!』って言いながらクレープにケチャップでハートを書くのだ。何この地獄。ケテ…タスケテ……...。
ちなみにケチャップなのはすずのせい。『...甘いもん聞いたんだからゲテモノでも食っておけ』とはすずの言葉だ。
「...らぶらぶ...がおー!」
「「「「......。」」」」
「...もうやだ。」
「「「「「「ぅぉおおおおおおお!!!!!」」」」」」
なんで私がやる時だけ全員静かになるの...。もっと騒いでてよぅ...。
「...ど、どうぞごゆっくり...。」
「はぁぁい!!...ゴクリ...こ、これが幻の...アヤネたんスゥィート...。なんて...なんて美しいんだ...。」
正直帰りたい。だけど、準備期間中何もやれてなかったから本番である今日は頑張りたいのだ。
「...よし。」
そうして気合いを入れ直した私が次のお客さんの元へ行くと...
「彩姉!」
「雪華ちゃん!?」
「彩姉可愛いよ!!」
「そ、そうかな...?ぇへへ...。」
クラスメイトや同じ学校の生徒に可愛いと言われるのと年下で妹のように思っている雪華ちゃんから言われる可愛いのと、すずから言われる可愛いはどれも違った恥ずかしさがある。が、その中でも雪華ちゃんからの可愛いが1番素直に受け取れる。だって雪華ちゃんの可愛いはもはや挨拶みたいなものになってるからね。...まぁそれでも恥ずかしいのは変わりないんだけど。
「今日は彩姉とすず姉に会いに来たんだぁ!」
「そっかぁ。あ、こちらへどうぞ!」
「うん!」
雪華ちゃんと話せて精神的に癒された。このままお昼まで頑張るぞー!
まぁ言わなくとも分かると思いますが、涼香さんが持ってきてたのは黒い目隠しとなぜか縄ですね。用途はもちろん彩音さんの拘束&目隠しです。リアルでも見れると思った涼香さん...無事暴走。




