第375話 絶体絶命
絵は描けてないのでまたいつかこの話に貼っておきます...。
階段を降りるとそこは2度見たことがある試練の塔の屋上だった。試練の塔の構造が本当に訳分からないが今更だ。そして、いつものように巨大な魔物がそこに鎮座していた。
「グルル...。」
おそらくノワールドラゴンだろうそれは巨大でありながらも黒くほっそりとした体を持っているが、見た目によらず防御力が高そうだ。私の想像したドラゴン像とは大分違うかな。まぁスカーレット以外のドラゴンはウォータードラゴンぐらいしか見たことないけどね。それでもこのノワールドラゴンはウォータードラゴンの5倍は大きい。
「《鑑定》」
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【名前】ノワールドラゴン《BOSS》LV.230 状態:正常
【弱点】なし
【苦手属性】聖、煌
【説明】暗黒魔法を極めたドラゴン。弱点らしい弱点もなく唯一、暗黒属性と対等な聖属性やその上位属性の煌属性を苦手としている。また、龍種であるため、ステータスも普通のドラゴンとは一線を画すものがある。そして、一騎打ちを好んでおり、挑戦者には一騎打ちの場を設けることがあったりする。
HP:142113/142113
MP:52416
STR:35468
VIT:43217
DEF:34249
AGI:35669
INT:54221
DEX:77546
MND:26553
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『...これはこれは焔龍王様ではないか。』
「っ!?」
そのノワールドラゴンが喋った。...というよりは頭の中に声が響く感じ...?
『なんだ?我が話せることがそんなに不思議か?』
「い、いえ、そんなことは無いですけど...。」
『おいおい。焔龍王ともあろう方が敬語で話してるとはなぁ。...違和感しかないぞ。』
「仕方ないですよ...だって私は焔龍王という種族であってスカーレット本人ではないですからね。」
『む?しかし貴様の中にあの幼女の気配がするのだがなぁ...。』
『幼女、だと...?』
『うぉっ!や、やはりいたか!』
『貴様もう一度言ってみろ。』
『いや、その...なんでもない...。』
『そうか...?次に言ってみろ。...どうなるか、分かってるよな...?』
『...ハイ。』
『...スカーレットってそんなに怒る子だっけ...?』
『...アヤネの真似。』
『えぇっ!?私そんな怒らないよ!?確かに幼女って言われたら怒っちゃうかもだけど...そこまで酷くないと思うよ...?』
『......はぁ...。』
なぜだか呆れられた。おかしいなぁ...?まぁいいや。今はこのドラゴンをどうやって倒すかだよね。
『まぁ...なんだ...始めようか。』
「は、はい。」
お互いに微妙な雰囲気のまま戦いが始まってしまった。ここは気持ちを切り替えなければ...。
『...いい顔をするではないか。では行くぞ!』
───ズガァァァァァアンンンッッ!!!
ほっそりとした腕が叩きつけられる。私はもう既にその場にはおらず、後ろ足を斬っていた。だが、硬い。数度同じところを斬りつけないと大した傷にもならなさそうだ。
「グオオオオオ!!!!」
───ブワワワンッッ!!
相手はというと、腕がさらに真っ黒に染まり、触れている地面がどんどん真っ黒になっていく。嫌な予感しかしないのでそれに触れないように相手の足にしがみつき、それが通り過ぎるのを待とうとしたが...
『そこも危険地帯ぞ!!』
「!?」
なんと足までもが真っ黒に染まっていったのだ。これには堪らず私は手を離し、地面に降り立った。すると...
「あぐっ!?か、体が重い...!?」
『どうだこの技は。焔龍王にとっていいハンデとなろう?』
ステータスで状態異常の確認をしてみると、私に状態異常:神経麻痺(極大)がついていた。じゃあ体が重くなっているように感じるのは神経が麻痺したことで思うように体が動かせなくなったからってこと...?
「...いきなり絶体絶命じゃん。」
『む?動けないのか?』
...ここからどうしよ。
逆に神経麻痺(極大)を食らっておいて体が重く感じる程度で済むアヤネさんぇ...。
普通ならまず地面に倒れて目を開けることすらできなくなります。そしてそのまま腕で叩きつけられて...




