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第353話 匂い




今日は王都の探索をしようと思っている。なぜかというと、ドールスさんみたいな研究者が国の1番端にある街にいたのなら王都にはたくさんの研究者がいると考えたからだ。



「...そんで俺ん所来たわけか。」

「そうですね。」



そのような人がどこにいるのか、それを聞くために今は鍛治師ギルドにいるヅイルさんに聞きに来ている。ヅイルさんなら鍛治の国の王都で鍛治師ギルドのギルドマスターとして活躍してるから何か知ってるかなと思ってるんだけど...。



「そうだなぁ.........アイツんとこ行ってみたらいいんじゃねぇか?」

「あいつ?」

「ウィンズ・ロスタルムっつーやつだ。...地図出せ。」

「あ、はい。」

「えー...たしかここがウィンズ・ロスタルムの研究所のはずだ。」

「そのウィンズさんっていう人は何を研究してる人なんですか?」

「空を飛べるお前さんにとっちゃあ味気ないかもしれんが、ウィンズのやつは空を飛ぶための石を創ろうと研究をしている。」

「空を飛ぶ?」



たしかに私はもう慣れてきて...いや外套があるから全然飛んでないけど、空を飛ぶということを楽観視してきているように思える。だけど、普通に考えてみれば空を飛ぶというのは凄いことなのだ。その石を創ろうと研究してる人がいるとなれば行かない訳にはいかない。



「ありがとうございました!」

「おう行ってら。...ウィンズのやつも何か変わりゃあええけどな。」



気持ちのいい笑顔で送り出された私が向かうのは王都の北東にある岩山。なんと王都の外にその研究所があるというのだ。いやまぁ別にいいんだけど、ちょっと王都を見て回りたかったなぁって気はしなくもない。



そんなこんなで歩くこと約1時間。誰もいないだろう岩山の、さらに崖に囲まれている白い建物を見つけた。あれがウィンズさんの研究所だろうか。あ、今更だけど、すず達は今日はいない。みんなは試練の塔に挑戦するって言ってた。...すずはいいんだけど、アイリスとメル、アリスちゃんにアンナさんは試練の塔に入れるのかなぁ...?


まぁいいや。今は目の前の研究所だ。この研究所は外観こそ薄汚れていて暗い感じだけど、他の家ではまず見ないような技術が使われている。例えば...



──ピンポーン...!


『...帰れ。』



このインターホンとかはこのゲームの中では見たことがない。それにちゃんと返答もできるらしい。



「あの...私色んな凄い人を探しているんですけど、鍛治師ギルドマスターのヅイルさんに聞いたらウィンズさんのところが良いと勧められて...」

『...。...ヅイルのやつがお前を勧めてきた、か。...ちょっと待ってろ。こんなところに来る命知らずの面を拝ませてもらう。』

「あ、ありがとうございます...?」



───ブヅッ!




────ガチャッ...!



「っ...どんなバカ女が来たのかと思えば()()様かよ。...ん?...なんだか懐かしい匂いが...?」

「ど、どうかしましたか?」

「い、いや...なんでもない。...お前のことが気に入った。中に入るといい。」

「え?ほ、ほんとですか?」

「...2度も言わせるな。」

「...ありがとうございます。」



なんだかよく分からないけど気に入られたようだ。ウィンズさんと思わしき人物に言われるがままついて行く。中は思ったよりも随分と綺麗で埃1つないかもしれないぐらい床がピカピカだった。



「...一応聞くが、ヅイルのことだから俺がなんの研究をしているかは聞いてるんだろうな?」

「そうですね。」

「お前からは()()()()がする。全部教えても良いだろうな...。」

「へ?」



私が良い匂い...?そうかなぁ...?



「くくっ...その匂いじゃねぇよ。」

「?」







「────天空王ファルティタの匂いがするんだよ。」



ファルティタちゃんの匂い...さてはこいつロリコン&匂いフェチだな!?(迷推理)

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