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第346話 やっぱり猫でしょこの子




学校では文化祭の準備が着々と整えられてきていた。結局出し物というかなんというか、『セカンダリア・オンライン喫茶』になってしまった私たちのクラスの1番の壁は服飾関係だった。セカンダリア・オンラインというゲームのアバターの姿を真似する訳だから当然現実世界には同じ服などない。オーダーメイドにするにしても学校からの限られた資金じゃ全員分のウィッグと数人の服ぐらいしか用意できないだろう。そして、ゲームでは人族じゃない人たちも結構いるらしいからその各部位を作るための素材なんかも買わないといけない。さらにさらに喫茶というぐらいだから何かしら提供しなければいけないだろう。その設備も整えなければいけない。と言っても設備に関しては()()()()()()()()()、人気の高いらしい家庭科室を借りることができたのでそこを使うことになった。


だから残るは服飾関係...そして何を提供するかどうかだ。と、ここまで長々と語っておいてなんだけど、私がすずの膝の上で舟を漕いでいる内にこれも決まっていたらしい。え?なんで眠そうにしてるのか、だって?...仕方ないじゃんすずが一定の間隔で体を揺らすから眠たくなっちゃうんだもん...。



『私が服を用意します!』

『り、りっちゃん...?』



全員分の服を用意すると豪語した福宮 凛ちゃんはなんと両親がデザイナーらしい。独自のブランド店を立ち上げた両親の一人娘である凛ちゃんは当然のごとくデザイナーとしての才能を引き継ぎ、その技術を吸収していった。そんな彼女の部屋には、服と一緒に使うと映えるような、数え切れないほど沢山のウィッグや化粧品などがあるらしい。そして、言わずもがな服を作るための生地も無数にあるとのこと。...まぁ全部すずの言ってたことだけどね。なんですずはここまで凛ちゃんのことを知っているんだろう?


これで提供する物以外は決定したらしい。...その頃には私は寝てたから何も知らないんだけどね。...なんですずは起こしてくれなかったのか。



『クレープとかどうかなぁ?』

『決定。』



で、提供する物はクレープになったらしい。こんな適当でいいのか...。まぁいいや。(適当)




─────────────

────────



そして今、私はとても怒っている。



「あ、あや、さん?」

「...。」



言わずもがな昨日の件だ。5対1で散々撫で回してくれたすずをはじめとする5人組に私は怒っているのだ。何も2時間撫でなくてもいいじゃん...。後半なんてもう記憶がないもん...。あ、でも気持ちよかっ...はっ!違う違う!気持ちよくなんてなかったから!!



「昨日のことは...その...若気の至り、と言いますか...。」

「むぅ!やっていい事と悪いことってあるでしょ!?」

「うっ...返す言葉もございません...(あれ?でも私たちただ撫でてただけだよね...?)」

「...なに?なにか文句あるの?」

「いえ!なんでもないです!」



すずが何か言いたげな顔をしていたので指摘するとなんでもないって言われた。そう言われると気になるじゃん...。



「た、ただいま戻りました!」

「ぁ!おかえりなさいアンナさん!」

「...。」



元凶の1人が帰ってきた。すずが安堵の顔をしているのが納得いかない。...ん?



──くんくん...



「!」

「...買ってきたかしら?(ボソッ)」

「...もちろんにございます。言いつけ通り焼き秋刀魚を買ってまいりました。」

「...っ...!」



元凶の1人...いや、アンナさんが焼き秋刀魚を右手に帰ってきた。そ、その秋刀魚...どうするのかな...?



「...いります?」

「...!」



──コクコクコクコクコク...



アンナさんの問いに頷くと串刺しになっている秋刀魚を差し出してきた。それを受け取っ...受け......?



「はいあ〜ん♡」

「!?」



そ、それは卑怯では...?そんなの...そんなの...



「はむっ!」



食べるしかないじゃん...!んん〜!...美味しい...!!



「ず、ずるい!」

「私が買ってまいりましたのでこれは正当な権利かと。」

「ぐぬぬ...!」



すずが何か言ってるけど、秋刀魚が美味しくて美味しくて...。




『...チョロ。』

『何か言った?』

『...なんでもない。』





餌付けのシーンは猫じゃらしを想像してもらえればなと...。

そして、お魚が大好きなアヤネさん。ちなみに前にもお魚を食べるシーンがあったりなかったり...(第124部分 第106話 お魚大好きアヤネたん より)

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