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第344話 寂しさと魔王様




『すず〜!終わったよー!』

『あれ?もう終わったの?速かったわね。』

『うん!今回の試練の塔は趣向というか毛色が違ったんだよねー。』

『そうなのね。また帰って来たら詳しく聞くわ。気をつけて帰ってきてね?』

『うん!』



すずお母さんにフレンドチャットで連絡し、帰路につく。そういえば試練の塔から出たあと、門番さんに驚かれた。曰く、日々変わる試練を突破したのは両手の指の数にも満たないらしい。

そして、私が帰ろうとした時、少し寂しそうな目をしていたので少しだけ残ることにした。



「門番さんはずっと1人なんですか?」

「ん?あ〜...そうだなぁ...。誰もいないから1人だな。」

「寂しくないんですか?」

「...もう慣れたさ。」



そう言って笑う門番さんの目には何も映していなかった。強いて言うならば...過去、だろうか?



「...アヤネとはまたどこかで会える気がするな。」

「そうですね。では私はそろそろ王都に戻りますね。」

「...あぁ。ごめんなこんな時間に愚痴聞いてもらって。」

「別に大丈夫ですよ。()()()()。」

「!...あぁまたな。」



そうしてしばらく談笑したあと、「ではまた」と帰ることを告げる。またもや驚いた顔をする門番さん...ガーディさんに私は背を向けて今度こそ帰路についた。



「...いつか1人になる時が来るのかなぁ。」



遠い未来、お父さんやすずが死んでしまった時、或いは私が死んでしまった時、残された者はどうなってしまうのか。ガーディさんの話を聞いていてそれだけが頭の中に残ってしまった。



──────────

──────



『王都に帰ってきたけど皆どこにいるの?』

『新しい家を買ったんだけど、あやは分からないよね?だから冒険者ギルドの前で待ってるわ!』

『分かった!それと...』

『ん?』

『いやなんでもないや。』

『何それー!めっちゃ気になるじゃん!』

『あはは。ごめんね?』

『ううん。また後でね!』

『うん!』



さてと...冒険者ギルドはどこだったかな。それと明日は鍛治師ギルドにも行かなきゃね。



「ん?」



───タッタッタッタッタッ...!!



「はぁ、はぁ、はぁ...み、見つけましたわよ!」

「え?」



背後から走ってくる足音が聞こえたのでチラリと後ろを向いてみると、艶やかな黒髪をストレートに流し、キリッとした顔立ちの美しい無表情の少女がそこにいた。



「...アリス...ちゃん...?」

「っ!覚えててくれてたのですね...。」

「記憶力は良いからね。ってそうじゃなくて!な、なんでここに...?」

「...アヤネさんを探しに来ましたの。」

「私を?」



というかどうやって私を判別したのかな?だって今の私...真っ黒の外套に身を包んでるから背中側からはおろか、正面から見られても誰か分からないレベルなんだよ...?それなのにアリスちゃんは...。



「...愛の、なせる技です。」

「あ、アイ?あいって...愛?」

「その愛です。」

「うそぉ...。」



別の国で会った子に違う国で告白されちゃった...。で、でも私には...



「分かっています。アヤネさんにはスズカさんというお方がいらっしゃるのでしょう...?」

「ぅえ!?え、ぅ、ぅん...。」



他の人にストレートに言われると恥ずかしいなぁ...。




「...ですが、正妻になれなくても側妻なら...!」

「ぅえええ!?!?側妻!?ぁ...。」



つい大声を出してしまった。周りの人の目線が痛い...!けど側妻という聞きなれない言葉がすごく衝撃的で...。




「ですからどうか!私を...側妻に置いてもらえませんか...?」

「ぅっ...!」



上目遣いからのうるうるした目を向けられると本当に本当に...。



「───あや?」

「「っ!?」」



マオウサマが降臨しました。...なんかこの言葉がしっくりきたから言ってみただけ。




この後絶対修羅場ですね。わかります。(>_<;)

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