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第340話 肉岩の試練




「はっ...ふっ...!」



垂直の崖を登ること早1時間。未だに頂上は見えない。



あれから私は手の力だけで上に飛び上がっては掴み、飛び上がっては掴みを繰り返していたらいつの間にかエレファリオスさん達との距離がだいぶ離れていた。ちなみに、エレファリオスさん達はというと...




『おい邪魔するんじゃねぇ!!』

『うっせぇな!お前が早く行けばいいだろうが!!』

『まぁまぁゆっくり行こうや。』

『はぁ!?どんなけ離されてると思ってんだ!!』

『そりゃ俺らが未熟だっただけだ。』

『だまれぇぇ!!』

『おいバカやめ────!』


───ドスッ...!!



『ぅぉぉおおあああぁあぁあぁぁぁあ!!!!!!』



────グシャァ......!



『『『『『......。』』』』』




ってことが下で起きてて...。あぁならないように私も気をつけなきゃって再確認したよね...。



「ぉぉおおおお待てぇぇええええ!!!!」

「うわ追いついてきた...!?」



なんとエレファリオスさん達のうちの1人が下の4つの脚を全て使って垂直な壁を爆走してきたのだ。もちろん上の両手も使っているので実質6本の手足を利用していることになる。...物理法則どうなってるのかを聞きたい。




『アヤネ』

『...ん?どうしたの?』

『シッポは使わないの?』

『あ...そういえば私シッポあったね...。でもこれも種族特有の能力に入りそうじゃない...?』

『...そうだったね。』

『でもありがとね。』

『...ん。』



私にシッポがあったことをスカーレットが教えてくれたが、今回の試練の塔では使うのは無理そうだ。だって今も動かしてみようとしてもシッポは全く動かなかったからね。もし使えれば、崖をシッポで掴んでバランスを取るとか色々できるんだけどね。



「よし...。ふっ!」



下から追い詰めてくるエレファリオスさんに追いつかれれば私は叩き落とされてそのまま落下死するだろう。そうならないためには、やはり追いつかれなければいい。覚悟を決めた私は指に力を入れて上へ上へと跳んでいく。掴めるところなんてもはや数cmの幅しかないため一度指を離してバランスが崩れるともう終わりだ。常に死と隣り合わせのこの試練は相当キツい...主に精神的に。肉体的にと言いたかったんだけど、私STRだけは異常に高いからね...。



───────────

───────



そんなこんなで合計2時間かけて崖を登りきった。ちなみにあの後エレファリオスさんに追いつかれることはなく、ふとチラッと下を見てみたら赤い点が2つに増えていた。...力尽きたのかな。


崖の上には先の見えない途中で途切れた白い階段があり、その前にはロッキングエレファリオスさんが立っていた。


それから程なくして3人のエレファリオスさん達がゼェハァと息を切らせながら登りきった。残りのふたりは...。



「...やるではないか。正直竜人の力に頼ってばかりだと侮って期待はしていなかったがまさかエリート隊よりも早く登りきったとはな...。」

「ありがとうございます。」

「あぁあの2体は気にするな。よくある事だからな。それにもうそろそろ帰ってくるだろう。」

「え...?」



「クソぉぉぉぉお負けたぁぁぁあ!!!!」

「ったくなんで俺は味方に落とされにゃならんのか...。」



死んだはずのエレファリオスさん達が突如現れた2つの白い円...魔法陣というやつからニュっと出てきた。これが当たり前かのように何も気にしてないからきっと見慣れた光景なのだろう...。なんだかすごいところだなぁ...。



「...さて。そろそろ最終試練を始めようか。準備ができたら上に来るといい。」



いや...準備も何も...何もないじゃん...。




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