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第316話 太陽の剣<月の弓?




日に日に減っていくガディウスさんの仲間に対して申し訳なさを感じながら、私たちはあと1つ月の欠片を超えれば魔大陸に到着するところまでやって来た。




「《サンダースプレッド》!」



───バヂヂヂヂヂッッ!!!



「「「「「ギャァァァァア!!!!」」」」」



そして、魔大陸に近づくにつれて、魔物プレイヤーの数も増えてきた。最初に見かけたのはこの世界の地図の中央にある大陸...ブラックアイが見えてきた辺りだった。その時は数が少なかったために、太陽の剣の威力を試してみたのだが、思った以上に強かった。



───────────────────



「せいっ!」



────ボォウッッ!!!ジュゥゥゥゥゥ......



「「「ぐぁぁぁあ!??!!」」」



こちらに敵意を向けてくる魔物プレイヤー達から100mほど離れたところから太陽の剣を軽めに振ってみるとあら不思議。モーセのように海が真っ二つに斬れた...というよりは蒸発したが正しいかな。当然、その軌道上に立っていたギョジン?ってすずが言ってた種族のプレイヤー達は焼け死んでしまった。



「「「「「「「......。」」」」」」」


「どうよ私が創った剣は!」

「スゴイネ...。」



───────────────────



ってなことがあったからあんまり使わないようにしてるんだよね...。だって関係ない生物や地形を破壊しちゃうから...。勿体ないっていうのは分かるんだけどね...。



「《サンダーマインストライク》!」



───パチチ...ピッシャァァァァンッッ!!!



だから私はソーラさんを守るために月の矢にだけ警戒して、他の人達がそんな私たちを守る...みたいな陣形で戦ってるんだよね。すずは当然のごとく私のそばで魔法を連発している。そんなに放って大丈夫なのかと聞いてみても、あと数百回撃てるって言ってきたからなんとも言えない。



「《コールドウィンド》」



───ヒュォォオオオオオオ!!!!



「ギャ───!」

「や、やめ───!」

「うぁ───!」

「ヒィッ───!?」



───カチンッ...



メルもメルで大きな魔法をどんどん使っていってるけど大丈夫かなぁ...?ちなみにアイリスはすずの《ウォーター・レジスタンス》による泡を纏いながら水中で戦っている。魔物プレイヤーの中には水生の魔物になった人も多くいるからね。こう見ると種族のバリエーションが多い魔物のプレイヤー達が所属する月陣営は色んな戦い方ができそうだね...。



そして、ガディウスさん率いる隊の皆さんは基本2対1になるような立ち回りで魔物プレイヤー達と相対している。ただでさえ海上でこちら側が不利なのに1対1となると絶対...とは言わないけど、高確率で負けることになるだろう。



「っ!」



───ギィィイィイィンッッ!!




ちょっと考え事をしていたせいで、飛んでくる月の矢への反応が遅れた。無理やり方向転換させた矢は巨大な水柱を立てながら海中に潜って行った。



「こっちも集中しないとね...。」

「そうね。あと少しなんだから。それに月の矢の威力も倍増してきてるでしょう?」

「うん。逸らすのも結構きつくなってきた。」



最初に弾いた時よりも威力が増している。というのは当然だが、飛んでくる方向も変わっているのだ。最初に飛んできた方向はやや真上だったのが、今では真横から飛んでくるようになっている。そのせいで下手に弾けないのだ。...真上から飛んできたものに関してはそのまま真下に逸らせば良かったけど、真横から飛んできたものを逸らせばそのまま横に飛んでいくからね。味方の多いこの状況で適当に弾けないよね。




「...太陽の剣が強すぎるとは思ってるけど、これまでを振り返ってみるとそうでもなかったのかも...って思っちゃうね。まだスキルとかも使ってないのに。」




この3つのスキル。どこでどう使うかが問題なんだけど、きっと私は勿体ないと思って最後まで残しちゃうかもしれない...。



私も貴重なものは最後まで取っておいて、結局使わない派です。

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