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第314話 母(スズカ)は強し...



「...素手ですか。」

「アァ。コッチノ方ガ火力ガ出ルモンデナ。」

「なるほど...。」

「ジャア行クゾ!!!」

「っ!?」


ーーーガァンッッッ!!!


私はとっさに受け止めた太陽の剣諸共吹き飛んだ。確かに火力はあるようだ。空中で体勢を整えながらそのようなことを考えていると、カインさんはさらに遠距離から追撃を加えてきた。おそらくは拳から放たれる衝撃波だろう。



「マダマダァ...!!!《鬼・爆裂拳》...!!!」


ーーーズガガガガガガガガガァァァァァァンンンッ!!!!


「ぐぅっ...!!」


私の着地地点を中心に地面を抉る無数の攻撃を加えるカインさん。それほどまでに本気ということだ。攻撃の合間から見えるカインさんの表情は溢れんばかりの笑顔だった。まるで「お前なら受けきれるだろ」といったような表情だった。...これは期待されてると見て良いんだよね...?



「はぁぁぁぁぁ!!!!!」

「オォォォオオ!!!ツイニ本気ヲ出シタカ!!!」


ーーー『...はぁ。しょうがないな...。』ーーー


私もカインさんの熱気に当てられたようだ。白鹿王刀をインベントリにしまい、右手だけ素手になる。そして、スカーレットの声がわずかに聞こえたと思うと、なぜか右手に力がみなぎってきた。不思議な力だなぁ...。


「ナァニボーットシテンダァ...ッ!?」



ーーーガシッ...!!


剣が手から離れないのは残念だが、片手でも十分戦える...!!その力がスカーレットによってもたらされているのだから...!!!


一瞬にして繰り出された背後からのボディブローを前に出ることで避けつつ、その腕をつかむ。そして



ーーーズガンッッッ!!!!!



右腕の力だけでカインさんを持ち上げて地面にたたきつける。バウンドして飛んで行ったカインさんもやられっぱなしという訳もなく、先程よりもニヤリと笑い、再び連続で攻撃を仕掛けてきた。



「《鬼・幻撃》!!」

「そういうのはもう見切りましたよッ!!!」


先ほど大剣の技で《幻斬》があった。それの拳と足バージョンだが、いかんせん数が多い。しかし、一度は見たので余裕とまではいかないものの、避けられる。



「んっ...。」

「すず!?」

「ヨソ見スンジャネェ...!!!」

「ッ...!?」


ーーーーバギャッッ...!!!!


「ギャゥッ....!!!」

「えっ......あや...?あやぁぁぁぁぁあああ!!!?!???」



すずが起きたことに気を取られ、お腹にカインさんの一撃をまともに受けてしまった。



「...すず.....おはよ.....。」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょぉ!!!!」


すずは怒鳴りながらも回復の薬を私の口に注いでくれる。...まずい。



「シカタナイトハ言エ、戦闘中ニヨソ見ヲスルンジャナイゾアヤネ。」

「返す言葉もございません...。」

「ッタくよぉ...まぁ楽しめたから今日はこのぐらいにしようか。」

「あ、はい。」


いつの間にか元の姿に戻っていたカインさん。すずも起きたし、あとはソーラさんが起きてくるのを待つだけだ。


「それで?もちろん何があったか教えてくれるわよね?カインさぁん??」

「あは、は、ちょーーーっとやることあったの忘れてたわーー...。じゃあなッ!!!!」

「[天雷]」


ーーードオオオォォオォオォォォォォンンンッッッ!!!!!


「ギャァァァァァ!!!!!」



自分の周りでふわふわ浮いている雷玉を消費し、冷や汗垂らしながら逃げようとしたカインさんに[天雷]をぶつけるすず。すずはあまり怒らせないようにしよう...。





...今更感

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