第313話 第2ラウンド
「フンッ!!」
「くっ...。」
──ギャィンッッ!!
巨大化すると、動きが鈍くなるようなイメージなのだが、カインさんに至っては全く逆だ。むしろそのスピードは先程よりも増し、力強さも増した。単純な身体強化よりも厄介だ。そのスピードとパワーのせいで、先程まで片手で受け止められていた攻撃も両手で受け止めることすら危ういレベルの重さとなっている。
「オラオラァッ!どうしたアヤネェェ!!その程度なのかァ!?」
「まだまだぁッ!!!」
──ヒュッヒュンッ!キィィンッ!ヒュンッ!
大剣を片手で持って、片手剣のように振り回すカインさん。そんな攻撃を一々受けていたら先にこちらが消耗仕切ってしまう...。だからできるだけ刃を当てないように回避に努める。
「《鬼・幻斬》!」
「っ...っぐぁっ...!?」
───シシュンッ!!
避けたと思ったら、違う方向から斬撃が飛んできた。そんなフェイントもできるのか...。ならば...
「...!!」
──《私流刀技・残鉄》──
「はぁッ!?なんだそれっ!?」
「ちょっと参考にしてみました!」
カインさんのスキルは幻の剣を生み出すもの...。私はそれを参考にして、その場で作ってみた。
カインさんを囲う、私の刀が通った軌跡。それが実体化してその場に留まっている。それが意味するのは...
「...ハッ!!」
───バシュッ...スパァッ...!
カインさんは地面にあった石を蹴り飛ばして白く揺らめく刀の軌跡にぶつける。すると、石は真っ二つに斬れ、どこかへ飛んでいってしまった。
「「...。」」
「これ...どうすんだ?」
「...えーっと...。」
「...まさか解除できないのか...?」
「...ぅ...はぃ...。」
「...アヤネは相変わらずとんでもねぇ技使うなぁ。」
「...。」
「はぁ......フンッ!!」
───ギィィイィイィンッッ!!
カインさんは気を取り直して大剣を握ると、思いっきり軌跡に剣を叩きつけた。叩かれた軌跡はゆっくりと動いていき、最終的にはカインさんが通れる穴になっていた。
「...これをどう使うかはアヤネ次第だが...この場では必要ないだろ?」
「そうですね...。」
無駄に時間を消費してしまった。実用性はどこかであるんだろうけど、今この決闘の場では相手を囲うような技を使ったところで時間の無駄なだけだ。自分で動かせたりできたら有効な技なのだろうけどね...。
「じゃあ再開するぞッ!!」
「はい!!」
────キィンッ...!
カインさんの横薙ぎを同じ方向から横薙ぎで合わせるように上に逸らし、大剣の影に隠れてカインさんの股下から背後に回る。
──《刀堂流刀技・10連撃》──
───シュババババババギギギギンッ!!!!
「グァァッ...!くっ...《鬼・ギロチン》!」
なんとか後半の攻撃を防いだカインさんはスキルを使用してきた。
「うわっ!?」
───ジャギンッッ!!
私の左右真横から2つの巨大な刃が飛んできたので、跳んで回避し、下にきた刃を踏みつけてさらに跳躍。その間にも振り下ろされていた大剣とすれ違いざまに逸らしてカインさんの分厚い首筋に刀を突き立てた。
───グシャッ...!!
「グォォオオォオオオオ!!!!!」
反撃を警戒して素早く刀を引き抜き、地面に降り立つ。これで勝負はついた...そう思っていると
「まだだ...。まだここからだぁぁあ!!!《静水の青鬼》!!」
───ドクンッ...!!
カインさんが新たなスキルを唱えると、身体が真っ青になり、縮んでいく。元の体型に戻ると、今度は傷ついた身体が元通りになった。
「...ふぅ......《暴虐の黒鬼》...!」
「っ!?」
「あぐっ...んぐぐ...ぐぅぅ...ガァァァァアア!!!!!」
「カインさん!?」
「フゥゥ...フゥゥ...!フゥ...フゥ......フゥゥ...。モウ大丈夫ダ...。」
さらに身体が縮んで、私と同じぐらいになったカインさん。何かを抑えるように苦しんでいるカインさんの握る大剣はプルプルと震えている。
「...最後ダ...。第3ラウンドトイコウ...!」
あれ?終わり方が前回と似てる?...気のせいでは?()




